探偵歴10年以上、浮気調査に定評があるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情。

パートナーがいる男女の恋愛の詳細を、美人探偵・山村佳子がその事件簿から紹介します! 

浮気がバレた後の関係、浮気調査のポイントについても語ります。

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今回の依頼者は男性です。中村駿也さん(仮名・24歳)は、大手企業に正社員として勤務している堅実な男性です。控えめなスーツとビジネスバッグを持ち、快活にハキハキと話しており、とても好印象です。

ここ最近、20代の依頼者の方が増えているのですが、お話していて感じるのは、最初の印象の良さとは裏腹に、抱えている心の闇のようなものが深いこと。最初は調査のためのヒアリングだったのに、話が進むうちに人生のカウンセリングになっていくことも多いです。

さて、駿也さんは、なかなか相談しにくい様子でした。結婚もしていないとのこと。「彼女のことでご相談ですか?」と言うと、「ハイ、そうなんです」とやっと話し始めました。

「彼女は僕より6歳年上の30歳で、マッチングアプリで知り合い、交際半年になります。僕は結婚したいのですが、彼女は“あなたは若いし、微妙かな”などと言ってくる。僕にとっては初めての彼女だし、彼女と結婚することしか考えられないのです」

思い詰めた様子で話す駿也さん。なぜ彼女から「微妙」と言われているのか、その背景について一緒に考えることにしました。

「僕は童顔で地味だからかな……1か月ほど前から関係が変わり始めたというか……きっかけは、デートの途中にヘアサロンに連れていかれて、僕の髪の色を染めようとしたんです」

恋人をヘアサロンに連れていき、自分好みの男性にしようとしたのでしょうか。

「彼女と交際してから、彼女の言う通りの服を買ったり、バッグを持ったりしていたら、すごく仕事もうまくいくようになったんです。いつもそのことに感謝はしていました。肌も荒れていたのですが、ドラッグストアで化粧水を買ってきてくれてケアをしていたら、キレイになった。でも、茶髪は別です。ウチの部署はとても厳しくて、男の僕がカラーリングをしたら、絶対に変な目で見られる」

駿也さんは彼女に200万円を貸していた

彼女の写真を見せていただくと、かなりの美女。若干“港区女子”の感じもあります。黒髪ロングヘア、ピンクベージュのワンピースにパールのアクセサリーなど、“作り込まれた清楚感”はちょっと気になりましたが、30歳という実年齢よりも若く、25歳くらいに見えます。

「彼女はエステティシャンをしていて、マナーもステキで頭もよくて、最高なんです。僕が本気で結婚を考えるようになったのは、彼女がきちんとした大学を卒業していることと、手に職があることです」

彼女の様子がおかしくなったのは、1か月前くらいから。

「夜に連絡が取れなくなりました。LINEが未読のままになって、朝になると“ごめん、寝てた”と。そのことについて、僕が不満を言うと、ありえないくらいのきつい言葉で返してくるんです。あとは、家に入れてくれなくなりました。前は彼女の家でデートもしていたのに、ここ1か月は一切、行っていません」

これは、おそらく浮気をしている……。しかし、まだ結婚もしていないのですから、彼女とお別れするという選択肢はないのでしょうか。

「それは……。あーーーーーもう言ってしまいますが、彼女に200万円、貸しているんです。彼女の勤務先のエステにはノルマがあるらしく、その補填分です。彼女がしょんぼりしているから、貸してしまいました。あとコロナ禍で給料が減らされるなど、大変な思いをしているので、比較的恵まれている僕が、何とかしなくてはと思ったんです」

お金は振り込みではなく、いつも現金で手渡し。そのたびに、彼女は心からの笑顔で笑ってくれたとのこと。

「こんなこと、誰にも相談できません。もしかしたらだまされていたのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。彼女と僕は愛し合っていると感じる瞬間もあり、彼女とは結婚したいとも思っているんですが、お金のことも何とかしたい」

冷静になって考えると、駿也さんは彼女のことをほとんど知りませんでした。

「出身大学と勤務先と今住んでいる家のことしかわからないんです。友達も紹介されていないし、SNSもやっていません。でも、やっぱり僕は彼女と結婚したい。アプリがつなげてくれた運命の恋人なんです。彼女のことを調べてください」

マッチングアプリで知り合った恋人について調べてほしいという依頼は増えている。

※本連載はプライバシー保護のため、一部内容を変えています。

謎めいた彼女、勤務先は本当だったが、その他のことは嘘だらけ!?〜その2〜に続きます。