大人女子のひなまつりは、手作り手まり寿司やアレンジ甘酒で楽しんで!

写真拡大

3月3日は桃の節句のひなまつり。子供の頃には家族と祝ったけれど、大人になるにつれ、その機会もなくなってしまった人のほうが多いのでは? 

でも、「桃の節句」とも呼ばれるひなまつりは、本来、邪気が入りやすい季節の変わり目に、けがれを祓う儀式として始まったもの。「季節の節目を感じる行事として取り入れてみませんか?」と、歳時記に関する著書を持つ柳本あかねさんは提案する。

「ひな人形を持っていなくても、玄関の棚や本棚、テーブルの片隅に赤い布や、木や漆のトレイのうえにひな道具やひな菓子を並べるだけでも、満足できる飾り付けになります」(同)

柳本さんのおすすめは、雑貨やおもちゃを販売するサイトで買うことができる1000円程度のぼんぼり。この隣に菱餅や小さな器に盛り付けたひなあられを置くだけで、ぐっとひな祭りの雰囲気になるそう。

「邪気を払う神聖な木といわれる桃の花を一輪、とっくりや一輪挿しにさすだけで、大人シックな印象に。白いとっくりはひとつ持っておくと、こうした季節行事を演出したいときにいろいろと役立ちます」(同)

また、料理や飲み物でひなまつりを楽しむのも一手。ひなまつりの定番といえば、「ちらし寿司」が定番だけど、ひとり暮らしでたくさんの食材を揃えるのは大変…。そんな人には、桜でんぶで作る手まり寿司がおすすめだそう。
◆桜でんぶの手まり寿司

1 炊き上がったごはんを150gボウルに移して、桜でんぶを大さじ2杯分くらい、ふりかけよく混ぜる
2 粗熱が取れたらご飯を三等分し、一口大ごとにラップに包む
3 これをきんちゃく型に絞る。最後に桜の花の塩漬けを一輪のせれば、小さくてかわいい手まり寿司に

また、ひなまつりに欠かせない飲み物といえば、「白酒」だけれど、お酒に強くない場合「甘酒」でも。アルコール分がほとんどないうえ、栄養分が豊富なのでおすすめ。レンジで温めてから、すりおろしたショウガを好みで加えると体が内側から温まる。風味と甘みが増すので、ほっこりしたいときにもぴったりとか。

「友達に振る舞うのなら、桜の塩漬けに熱湯を注ぐ『桜茶』も、春の風情がたっぷりでおすすめです。そのまま使うと塩味が強めなので、好みによっては一度軽く洗ってから使いましょう」(同)

大人のひなまつりをめいっぱい楽しんで、スッキリした気持ちで春を迎えよう。

写真:白井由香里

柳本あかね
日本茶カフェ「茜や」、お茶とお酒「茜夜」店主。日本茶インストラクター。きき酒師。グラフィックデザイナー。二級建築士。著書に『いちばんおいしい日本茶のいれかた』(朝日新聞出版社)、『神楽坂「茜や」の小さな暮らし』(河出書房新社)、『「茜夜」のシンプルに暮らす、小さなキッチン』(河出書房新社)がある。最新著書は『「茜や」の小さく楽しむ おうち歳時記』(河出書房新社)。