友達か恋人か、距離でわかるって知ってた?「45cm未満なら恋人」
「友達以上恋人未満」という言葉があるが、距離で判定することができるのはご存じだろうか。もっとも簡単な方法は、一緒に歩いてみることである。75cm以上離れて歩くなら友達、45cm未満なら恋人、その間が友達以上恋人未満の微妙な関係だ。
これは自分の領域にどこまで相手の侵入を許すか、という心理を利用した判定方法で、気持ちが行動にも表れているのだ。
さらには、意識せずとも歩調が揃うようなら相性はバツグン!これはシンクロニー現象と呼ばれ、好きな相手を無意識のうちにまねているからだ。
■嫌いな人には近寄らないワケ
人間にはパーソナル・スペースと呼ばれている「心理的な縄張り」がある。自分を中心に円を描くようなイメージで拡がっており、そこに他人が踏み込み自分の身体に物理的に近づくと、嫌いな相手には不快の念を持つが、好意を持つ相手は受け入れるのだ。
アメリカの文化人類学者エドワード・ホールは、この物理的な距離を8パターンに分け、自分からの距離が近→遠の順に、密接、個体、社会、公衆と分類している。距離と呼び名、シチュエーションをあげると、
・15cm未満(近い密接) … 家族や婚約者 … すぐに抱きしめることができる
・15〜45cm(遠い密接) … 恋人 … 自由に相手の身体に触れられる
・45〜75cm(近い個体) … 親友、異性なら友達以上恋人未満 … 一歩近づくか、手を伸ばせば触れられる
・75〜120cm(遠い個体) … 友人 … お互いに距離を縮めるか、手を伸ばせば触れられる
・120〜210cm(近い社会) … 上司部下、クラスメートなど … 手は届かないが、ふつうに会話はできる
・210〜360cm(遠い社会) … 取引先の相手 … 商談時の距離
・360〜750cm(近い公衆) … 全く知らないわけではない相手、知人 … 一対一での会話がぎりぎり可能
・750cm以上(遠い公衆) … 会話をする間柄ではない相手、他人 … 講演など、一対多の状態
で、知り合った当初は遠く感じていても、少しずつ相手の領域に踏み込んでゆき、どこまで許されるのかで自分の好感度を測ることができる。もし「7.5m以上離れて!」と言われたら、知り合いどころか他人として扱われている、の意味だ。
さらに、相手に対して好意や好感を持つと知らぬ間にまねをしてしまう、シンクロニー現象がある。たとえば、仲の良い友人や尊敬する先輩などとしゃべり方や仕草が似てくるという経験はないだろうか。嫌いな相手では、いくら同じ時間を過ごしたとしても、シンクロニー現象はあらわれないのだが、意気投合すれば初対面でも表情などに現れることがある。
このシンクロニー現象は親しいほど起こりやすく、歩くスピードから食事の好みまで似てくるのである。「似る」=同じ価値観を持つ間柄なのだから、相性が悪いはずがない。
■遠距離恋愛は圧倒的に不利?
愛は距離に勝てない。
アメリカの家庭生活学者ボサードがおよそ5千組の夫婦を調査したところ、33%は過去に半径5ブロック以内に住んでおり、近くに住んでいるほど結婚率が高まるという結果に達した。恋愛において距離こそが重要なのだ。
なぜ距離に勝てないのか? 簡単に言えばコストパフォーマンスが見合わないからだ。これは「社会交換論」と呼ばれ、会い行くための時間と労力と、得られる満足を、自然とてんびんにかけ、残念ながら遠距離恋愛はコスパが悪いと判断されてしまうのである。
さらには「ザイアンスの法則」というものがある。相手との接触回数が多ければ多いほど好感度がアップするが、一度疎遠になってしまうとどんどん気持ちが薄れてしまうのだ。
行くのが大変→会う機会が減る→気持ちが薄れる→なおさら行くのが面倒、と悪循環を続ければ自然消滅は必至だから、まずは自分の気持ちをつなぎ留めておくのが先決のようだ。
■まとめ
最後に愛が勝つ、は努力なしでは成立しない。
もし結婚を考えている相手なら、一度離れて暮らしてはどうか。二人の気持ちを確認する絶好の機会になり得るだろうから。
(関口 寿/ガリレオワークス)