安心感、信頼感に加え、「畏怖の念」すら感じさせられるベテラン俳優こそ、今の社会の重さを背負えるという期待があるのでしょう。

◆俳優の深い人生とも重なる主人公像

 例えば、『GTO』で反町さんが演じる鬼塚英吉は理不尽な社会への違和感を代弁する存在です。

 28年振り復活の今作では、反町さんと同じく50代になった鬼塚が令和の教育現場に切り込むことで、破天荒さはやや落ち着いたものの、人生経験を積んだ教師だからこそ響く生徒、学校、社会への提言がなされています。28年前のヒロイン・松嶋菜々子さんと、今作で夫婦共演が実現していることも、俳優人生の重さを感じさせます。

『大追跡』は、大森さん、相葉雅紀さん、松下奈緒さんのトリプル主演ですが、実質的なリーダー役は大森さん演じる伊垣修二が務めています。警視庁の「SSBC強行犯係」を描いた今作では毎回、犯人の事情、組織の圧力など、重いテーマを扱っていますが、伊垣は現代の捜査を統率する頭脳として、事件解決に中心的な役割を果たし、重厚感を与えています。

『ブラックトリック』でのGACKTさんは、敏腕弁護士と一級建築士の二刀流で、「嘘」を武器に真実を暴く浦真鷲直人を演じています。常識外れの天才として冷徹さ、妖艶さ、知性を兼ね備えたGACKTさんが主演となることで、恋愛や青春といった月9の王道に対して「異質で大人な主人公像」が成立。

 また今作は月9ドラマとして初めてNetflixで世界配信されますが、GACKTさんの存在感は言葉の壁を難なく超えられそうです。体調不良による無期限休止から復活を遂げたという彼の人生そのものも、主人公の立ち振る舞いに重みを生み出しています。

◆若い世代に希望を引き継ぐ存在に

 視聴者が成熟した主人公に自分の経験を重ねることが出来るイケオジ俳優。若者の悩みも、社会の閉塞感も、経験を積んだ大人が向き合うからこそ共感が生まれる。彼らが「背負ってきたもの」が、そのまま役柄の厚みにつながっています。

 一方で、主人公が50代俳優だからこそ引き立つ、若手との世代融合も生まれています。『GTO』では、リアル高校生世代限定オーディションから生徒役を勝ち取った面々が、1998年版から飛躍した窪塚洋介さん、小栗旬さんらに続こうとしています。

『大追跡』では、大森さんが相葉さんだけでなく、同じチームの木雄也さん(Hey! Say! JUMP)、足立梨花さん、沢村一樹さんの息子・野村康太さんを引っ張ります。『ブラックトリック』でもGACKTさんの裏回し(=浦真鷲)のもと、神尾楓珠さん、戸塚純貴さんらが同じ事務所で正義のためのでっちあげに協力しています。