「闇落ちの演技が至高!」山田涼介、『一次元の挿し木』で低成績俳優からの脱却。過去の“喪失”と重なる“陰”の表現力
また、『豊臣兄弟!』(NHK)で大河ドラマ初出演も決定し絶好調の山田さんですが、俳優としての道のりは苦難の連続でした。
◆売れ過ぎた結果、役が「山田涼介」になるリスク
特に、超人気漫画の実写映画『鋼の錬金術師』では主人公を演じましたが、完結編2部作は興行収入2億円台と大苦戦を強いられました。山田さん自身はこの作品で、肉体的にも精神的にも役に向き合っています。
実写化作品はどうしても、原作ファンの期待という巨大な壁がある。どれだけ本人が努力しても、「イメージと違う」「山田涼介に見える」と言われてしまいます。さらに、CGがチープに見えるなど壮大な世界観を邦画では再現しきれず、本人の力量ではどうにもならない部分で興行収入という結果だけ背負わされる形にもなりました。
◆原作キャラクターを演じる難題
ただ重要なのは、山田さんがこの経験を失敗として終わらせなかったことです。むしろ、原作キャラクターを演じるという難題に何度も挑戦することで、役を自分のものにする方法を体得していったのだと思います。
◆純粋無垢なサイコパス役も。攻めた役柄に挑戦
映画『燃えよ剣』では、沖田総司という歴史上の人物を演じ、親しみやすい笑顔と冷徹に人を斬る二面性を使い分けました。病に冒された様を表すため、撮影中に8キロ減量するというストイックさも見せています。
『BAD LANDS バッド・ランズ』では、主演で姉役の安藤サクラさんに対し、純真無垢なサイコパスで、姉への異様な愛とダサさも持ち合わせる弟役を柔軟にこなしました。
アイドルとしての華やかさに対し、攻めた役どころに挑戦して自らのパブリックイメージを打ち壊し、着実に俳優としてのキャリアを積んでいた山田さん。
しかし、2023年には所属事務所問題に揺れ、外的要因で思うような活動が出来なくなりました。Hey! Say! JUMPはデビュー曲『Ultra Music Power』を封印することになり、二宮和也さんらと共に出演するYouTubeチャンネル名も『よにのちゃんねる』に変更を余儀なくされたのです。
◆事務所脱退が続く中、グループにこだわる姿勢
さらに、俳優業に重きを置く同事務所タレントの中には、退所・独立を選ぶ仲間も多かった。山田さんもそうした流れに続くのではないかと騒がれたこともありましたが、彼自身は俳優業にもグループにも強い愛着があり「勝手なことを言ってくれるな」と否定。
ただ、事務所問題とは関係なく胸を張って頑張ってきたからこそ、悔しい思いをしたことも吐露していました。それでも、この逆境に対し逃げることなく、ひたすら己を磨きグループに還元することに集中しました。
昨年には、ディズニー・アニメーションの映画『ズートピア2』において日本語版声優を務めましたが、それは本国のオーディションを受け勝ち取ったものです。日本でのネームバリューや圧倒的強さを誇る顔面も使うことなく、自身の声で役を掴むことは山田さんにとっても挑戦だったと思います。

