「今日の俺ってどう?」顔重視な女性が出会ったドン引きナルシスト彼氏
■男を選ぶ基準はとにかく顔!
彼氏にするうえで大事なのは「とにかく顔! イケメン大好き!」と、自分の顔面偏差値はさておきながら、とにかく顔が好みじゃないとお付き合いなんて考えられなかった若い頃。その彼と出会ったのは、やたらとスーツ男子がかっこよく見える時期でした。
たまたま友人に連れて行ってもらったBARで、細身のスーツをパリッと着こなすイケメンを発見。「素敵だなぁ」と思っていたら、彼の方から隣の席に来てくれました。そつなく世間話で盛り上がっていたら、トントン拍子でメールアドレスを聞かれたのでその場で教えると、1発目に届いたメールが衝撃!
「俺じゃだめかな?」
これ、盛ってないです! 本当に実話です。今思い出しても背筋が凍るようなファーストアプローチでした。
■この彼、とにかくナルシスト度合が半端ない!
いくらイケメン好きの私でも、さすがにこのメールにはドン引きしたので、「絶対に無理」と返信してその日はさっさと帰宅しました。彼はそんな風に断られたことがなかったようで、翌日から猛アプローチされ、とりあえず食事に行くことに。何度か食事に行きましたが、普通にかっこいいし、素敵だし、フィーリングも合ったので、最初のメールのことは忘れて、お付き合いすることにしました。
しかし、いざお付き合いが始まると、徐々にナルシストの片鱗が見え隠れ。
オシャレなのはいいのですが、会う度に「今日の俺ってどう?」と聞かれ、その時はまだ付き合いたてなので私も「今日も素敵だよ♡」と答えていました。日によって「今日はいつもと違うところがあるんだけど、どこでしょう?」とクイズ形式で聞かれたりと、今思えば面倒くさいやり取りも、当時はちゃんと彼が喜ぶように答えてあげていました。
付き合ってしばらくした後、友人達に紹介したある日。その日もナルシストオーラ漂う彼の雰囲気を見て「今まで何人とお付き合いされたのですかー?」とチヤホヤ聞いてくれる友人に対して、「それって、同時にってことかな?」と自信満々に答えている彼。友人達はドン引きですが、当時の私は「そんな彼ってかっこいい♡」とまだお花畑の最中でした。
でも、付き合いが長くなっていくにつれて、彼のナルシストトークを徐々にうざく感じるように。「買い物に行った時に、店員さんがずっと俺のことを見てくるんだよね。どういうことだと思う?」みたいな会話も、最初は「きっとかっこいいからだよ〜♡」とニコニコ返事をしていましたが、そのうち「なんでだろうね」と適当な相槌に変化。
一緒に歩いていて、鏡やショーウインドーに自分が写ると常に前髪をチェックしている姿も、最初は「いつも身だしなみに気を使っててかっこいい♡」と思っていたのに、徐々に気持ち悪く感じるように。
極めつきは、おはようのメッセージとともに毎日送られてくる彼の自撮り写真。全然嬉しくなーい! むしろ見たくない!
■ナルシストぶりに疲れた私は別れを決断
付き合いが長くなっても彼のナルシストぶりが変わることはなく、会う度に「俺ってかっこいいでしょ」という圧に耐え切れず、ついに別れ話を切り出しました。
すると今度はなりふりかまわず土下座して「絶対に別れたくない!」と号泣。
「えぇ〜。こんなにナルシストなのに、そんなことするの……」とさすがの私も絶句でしたが、女は恋から冷めると強いんです。「絶対にもう無理」とそのままお別れしました。
でも、しばらくは行きつけのお店で待ち伏せされたり、返信しないにもかかわらず毎日メールが来たりと、実はすっぱりと切れるまで数年かかりました。今振り返ると苦すぎる思い出。
■イタい恋から得た教訓「それでもやっぱりナルシストが好き!」
ナルシストの彼との恋に疲れた私は、「やっぱり男は見た目じゃなくて内面!」といわゆる性格の良い男性と次に付き合ったのですが、物足りなさを感じるというか、なんかしっくりこず長続きしませんでした。
というのも、ナルシストってわりと女性から敬遠されがちですが、いいところも沢山あるんです。そもそもの考え方として、「彼女を大事にしてる俺ってかっこいい」と思っているので、とにかく優しく尽くしてくれるし、ご飯だってスマートにご馳走してくれるし、プレゼントもくれるし、記念日だって大事にしてくれます。だって、そんな俺が大好きだから! そんな俺がかっこいいから!
私の恋愛傾向として、それはそれはお姫様のように大事に扱われたいので、結局ナルシストの男性と相性がいいんですよね。なので、懲りずにこの後もナルシストの男性と付き合うことが多かったです。もちろん今でもナルシストが大好物! なんの教訓も得てないやーん!
いや、自分の好みをしっかりと理解することが出来たことがこのイタい恋の教訓です。ナルシスト万歳!
(文・マコ先生、イラスト・菜々子)