今週の「女のもやもやセラピー」のテーマは「独身30代女性の不安解消」です。

「悪いこと」しか想像できないときは考えないほうがいい?

仕事に追われ、充実した日々を送っていれば、良くも悪くも「先のこと」など考える余裕はないわけですが、例えば、急に仕事がなくなる、ひとりで過ごす時間がやたらと増える、となると、漠然とした不安が襲ってくるものです。

不安なときに何を考えたって「いいイメージ」なんて浮かびません。現実になるかどうかもわからない「悪いこと」を想像して落ち込むというのは時間の無駄。だから、趣味でも仕事でも、雑念を払い、没頭できることをしましょう、というアドバイスがあちこちでされるわけですが、本当のところはどうなんでしょうか。

確かに「考えない時間」の量と、幸福度は比例するかもしれません。でも、刻一刻と時間は経過していくわけですから、考えるチャンスをやり過ごして「あのときに、ちゃんと準備しておけば、こんなことにはならなかったのでは?」なんて後悔は起こらないものなのでしょうか。

「一生おひとりさま」=「誰からも愛されない女」なのか

「いつかは結婚」を視野に入れながら生きている独身の30代女性が、もっとも沈む状況のひとつとして、「ふと、“自分は誰からも愛されていないんだ ” と、気づいたとき」があります。

家族や友達や仕事仲間など、大切な関係はちゃんとあって、“誰からも”なんてことは絶対にないはずなのですが、

「脈ありなのかなと思った人に、彼女がいると知ったときはめっちゃ凹みますね。またか…と。もともと、優しい男性がタイプなので、例えば、“冷房、寒くない?”とか聞いてくれたりするだけで、キュンっとなって、好きになっちゃうんですよ(笑)。でも、本人にとっては、通常運転。 結果、しょっちゅう傷つけられてしまいます」(広告会社勤務 33歳)

「仕事で出会えないとなると、出会いの場ってアプリか飲み屋になっちゃうんですよ。アプリにいる人は、そもそもが恋愛しようって気持ちで前のめりになっている状態ですよね。飲み屋は飲み屋で、お酒も入っているから、ちょっと“いい感じ”になりやすいじゃないですか。なのにモテない…(笑)。なんで?ってなりますよ。

先日、お店でわりと仲良くなった常連さんに、酔った勢いで“とはいえ、私のこと、ちょっとは好きだったこと、ありましたよね?”って聞いたら、それまでの笑顔が一変して“は?”って言われて。そんなに拒絶しなくても、ねぇ?(笑)」

なんてときほど「自分、このまま一生ひとりなのかも」と思ってしまうのです。そして、そんなタイミングだからこそ、「一生ひとりって、とってもつらくて苦しいことなんじゃないか」とおびえてしまうのです。では実際のところは? ということで、30代女性から見たら人生の先輩の独身女性に、今の暮らしっぷりを聞いてみました。

派遣、一人暮らしの気楽さは不安感を凌駕する

「一人暮らし歴は25年になります。その間、彼氏はいたり、いなかったり。50歳になるまで、結婚して妻になったり嫁になったり、母になったりというステージがなかったので、気持ちとしては、ずっと“昔と変わらない”といった感じ。それがつまらないと感じることがあったり、ひとりの夜が怖いときもありますが、気楽というほうが圧倒的」と言うのは、田淵優子さん(仮名 50歳 派遣)。

田淵さんは、東京六大学のひとつを卒業後、就職氷河期と言われた時代に住宅販売メーカーに就職。5年ほど勤めたものの会社の合併によるリストラに合い、関連会社へ出向しました。さらに、その会社が別会社と合併。「仕事量は増えるのに、お給料は下がるという状況」に限界を感じ退職して以降、 派遣会社からの斡旋で、複数の企業の経理業務を行っています。

「ネットなどで、生涯おひとりさまなら、正社員になったほうが安心という記事をよく目にしますが、私は会社に翻弄されてきたタイプなので、正社員になりたいとか、ならないとまずい、といった焦燥感はありません。

今の時給は1760円。月収で見ると、残業があって30万円くらいになることもありますが、5月や年末年始など、休日が多ければ減るので、ならすと25万円前後というところでしょうか。 確かに、時給を10円上げるのに1年かかる、みたいなやるせなさはありますが、正社員だった時代も年収が300万円を超えたことはなかったんですよ。なので、そこは不満でも不安でもないんです。ただ、数か月に1回程度、メンタルが大きく崩れることがあるんです」

その原因はいったい?  後編に続きます。

「“普通に ” 結婚したい人生でした。でも、まだ諦めたわけでもないんです」 と田淵さんは言う。

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