いつまでたっても彼女(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか…。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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「こんなにスルスルと嘘をつける人だったんだなって。そうなると他のことも嘘なのかもと疑ってしまい、すべての裏を取るために必死になっていました」

と語るのは、都内にある企業で派遣スタッフとして働いている美羽さん(仮名・32歳)。鎖骨まである髪はふんわりと巻かれていて、色白で美肌。女優の酒井若菜さんに似ていて、年齢よりも若く見えます。

「出身は千葉県で、両親と8歳下に弟のいる4人家族です。家族仲は普通だったと思います。私が24歳のときに父親が病気で亡くなって、当時私はすでに家を出ていたので、高校生の弟と母親の2人きりの生活が始まってからは私はすっかり除け者です。母親と弟は異常なほどに仲が良くて、なんとなく私が入り込めないような雰囲気があって。父親は私のことも可愛がってくれたんですが、母親は昔から弟のほうを優先している感じがあったので、特に今そう思ってしまうのかもしれませんがね」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「大学のときに同じ学校に通う同級生の子と付き合いました。彼は高校からの知り合いで、高校のときはそこまで仲良くなかったんですけど、同じ大学ということがわかってからは頻繁に連絡を取り合うようになって、その流れで付き合うようになりました。

付き合っていた期間は2年ほど。彼は高校のときは地味でモテるようなタイプじゃなかったのに大学ですっかり垢抜けて、それで自信をつけたのか浮気を繰り返されるようになり、あまりにもそれが酷いので別れました。『一番好きなのは美羽だから』と浮気がわかる度に言われていたんですけど、順番がある時点でおかしいことに最後まで気づいてくれませんでしたね」

その彼とは美羽さんから何度離れても追いかけてこられ、2回ほど復縁していると言います。

「復縁の期間も合わせて、2年です。私からもう無理だと振っても、学校内でつきまとわれたり、家の前で待たれたりして、私も嫌いじゃないから折れる…というのを繰り返しました。でも、根本は変わらないので、また同じことをするんです。3回目の別れ話で『もう何をされても戻りません』と伝えて終わらせました。その後つきまとわれましたのでしばらく実家から大学に通っていたほどです。そんなに好きならなんで浮気なんてするのか、最後まで理解できませんでした」

浮気には罪悪感があることを実感

なかなか付き合えない間に気持ちは強くなった

浮気をする男性について意味がわからないと言っていた美羽さんですが、社会人になって浮気相手という立場を経験してしまったとか。

「好きになるまで騙されていたんです。相手は取引先の男性で、誘われて何度か遊びに行くようになり、体の関係を持つ直前で『付き合うと思っていい?』と聞いたら、『彼女はいる』って…。その場はあまりにもショックでそのまま何もせずに帰ったんですが、別日にお酒を飲んでいたときに、あまりに寂しくなってしまって私から彼を呼び出していました。関係はその1回のみです。罪悪感がすごくあって、そこからはお酒を飲んで寂しくなる前に友人を呼ぶようにしていました」

24歳のときに父親が亡くなり、家族からの疎外感に苛まれていたときに飲み会で知り合ったのが浩さん(仮名)でした。飲み会で悪酔いをしてしまい、出会ったその日に浩さんをお持ち帰りしてしまったんだとか。

「夜1人でいるのが嫌で飲み会に定期的に参加していました。その中で生まれて初めて持ち帰ってしまったのが彼でした。持ち帰ったと言っても何もなくて、始発まで私の家で仮眠を取っていただけなんですけどね。私は酔ったときに父とか家族の話をしちゃったから、その後も私の体調を心配してくれて。毎日連絡を取り合うようになって、気づいたら好きになっていました。

好きになってからは私は好意を示し続けて告白してくれるのを待ったんですが、友人関係がずっと続きました。気持ちに気づいて知らないフリをされているんだって思って、フラれることを覚悟で告白してみたらOKで。付き合う前も付き合った後も私のほうが気持ちが強くて、彼女になれてからも強く言えなくて…。浮気に気づいたのは本当に偶然でした」

浩さんはネットに落ちているサイコパス診断などにことごとく当てはまるそう。

初めて嘘に気づいた後、本当かどうか確認する悲しいクセがついてしまった。
後編に続きます。