パートナーがいない独身者のほとんどが、自分が独り身の理由を「出会いがないから」と思っています。そのため、出会いの数を増やせば結婚ぐらいできるだろうと考えがち。

ここで、「結婚相談所にさえ入れば、結婚ぐらいできるだろう」と自己投資と思って大金を出して入会したとします。実は、結婚相談所の会員同士の結婚は10%以下という事実をご存知ですか?

闇雲に出会いの数だけ増やすのは、婚活難民化する第一歩です。

●いざとなれば結婚相談所で結婚できると思っていませんか?

こんにちは。恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。結婚ぐらいできるだろうと思って、気が付いたら30代……そんな女性たちは時間が経っても結婚する兆しもなく、紹介話も減り、合コンの誘いもなくなっていくように。

「私は普通だけれど、たまたま出逢いが無いから独身なの。本気出せば、結婚ぐらいできるだろう。いざとなったら結婚相談所に入れば結婚ぐらいできるでしょう」と思って結婚相談所に入るようですが、一体どれぐらいの方がその相談所内で結婚できるかご存知でしょうか?

成婚率という言葉を目にしたことがありますか?結婚相談所のチラシやサイトには50%などと高い数字が書いてあるかもしれませんが、あれは結婚した人の割合ではなく、結婚相談所を辞めた人の割合です。

つまり、結婚相談所は向いていないと思って辞めた人も全部含めた数字。また、仮に結婚相談所の中で出会って結婚前提で交際して退会していったとしても、その後に結婚が破談しているカップルだって大勢おります。結婚相談所の交際期間はだいたい3か月ほど。交際3か月では、見えてこないことも多々あるでしょう。

出会いを提供するサービスは数多くありますが、相席屋や婚活パーティー、婚活アプリは既婚者や遊び目的の男性も紛れ込みやすいです。婚活サービスの中で、独身証明書を提出して結婚願望がある異性と初めから1対1で会える結婚相談所は最も本気度が高く高額。入会10万、毎月1万数千円〜ほどになります。

高額だし入会までのハードルが高いゆえに「いざとなれば結婚相談所に入れば結婚できるだろう」と思っている女性は、結婚願望がある男性に何人か出会いさえすれば、自分は結婚できると思ってしまいがちです。

●出会いの数だけ増やしても、自分を客観視できていないなら無意味

しかし、会員の過半数は結婚できません。それどころか結婚する方は相談所会員のうち10%程度と言われております。1割の結婚できる方を9割の不良在庫が支える仕組み。男女比でもエリアによって差はあるものの、だいたい女性が多く男性が有利。

そこで結婚できる10%に入れるような強みがあるなら、入会されてみては?

強みとは、若さ(30代女性が多いので20代と言うだけで武器)や年収、コミュニケーション力、人柄、容姿、人気職業(女性も公務員、看護師は人気です)があるなら入会してもいいでしょう。

男性ならば30代、大卒、正社員なら過去に女性との恋愛経験がなくても結婚できる可能性は高いと思います。男女比という点だけで言えば、結婚相談所は男性がやや得をしやすい仕組みです。

実際に、結婚相談所に入会して初めてお見合いした相手とそのまま結婚する人もいます。例えば某結婚相談所では、パートナーが見つかって結婚するため退会した人で一番多いのは4か月目だそうです。

入会して1〜2か月目に出会ったお相手と、そのままゴールインなのでしょう。ただこれは、婚活の場において優秀な人だけ集めた場合の統計です。

結婚相談所を結婚させてくれるサービスと勘違いしているのならば、入会はやめた方がいいでしょう。高確率で、不良在庫になる可能性が高いです。

結婚相談所って非常に時代遅れなルールがあり、男性は定職に就いていないと入会できないことがあるのですが、女性は家事手伝い、非正規雇用でも入会できるのです。

ある大手結婚相談所の女性会員の年収分布を見ると、約3割は300万円未満。女性会員の中には30代フリーターや、家事手伝いという方、アラフォー派遣社員までおりました。まともに働いている男性が、そういう女性を選ぶでしょうか?

キャリアがあれば大丈夫という訳ではないです。「お化粧しているの?」「何歳の時の服?」と思うような身だしなみの看護師や公務員女性なども多数在籍しております。アドバイザーはいるけれども、一定の年齢を超えた大人のお客様相手に「その格好は手抜きで魅力ないですよ」とはいえません。

大金を出して結婚相談所に入会したとしても、その中で人気がある人、人気がない人に分れるのです。

自分を客観視できる方ならば、「どこを改善したらいいと思いますか?」とアドバイザーを上手に頼ることはできると思います。しかし、多くの男女は「出会いがないだけ」「相性の合う人がいないだけ」と思って、結婚するためには出会いの数を増やすことだけを考えがち。

その結果、婚活して出会いの数を増やすほど、ただ異性を見る目が肥えていき結婚に遠のく婚活難民が生まれてしまうのです。

●自分を変えることを妥協ととらえる?それとも成長ととらえる?

ご結婚された方から、「昔の私ならば絶対に選ばない男性と結婚した」という話をよく聞きます。

ある30代女性は化粧っ気もなく彼氏いない歴5年超えですが、「結婚するなら年収1,000万円以上で身長180センチ以上。言うだけタダだもん」と言っておりました。

どういう人と結婚したいかともっと詳しくお尋ねすると「タバコを吸わない人がいい。浮気をしない人がいい。あと、〇〇しない人かな」と全て「〜しない人」と、NGばかりが出てきます。

現在は結婚して一児の母ですが、旦那様はご自身と同じぐらいの年収で身長もそんなに高くない方だそうです。

彼女は、部屋を片付けたり服装を変えたりしていった時に、これまでは男性に対して「誘ってくれない」「連絡先を聞いてこない」と受け身で相手にやってもらうことばかり考えていたということに気が付いたそうです。

自分が受け身すぎに気が付いたころ、参加した婚活パーティーで出会った同い年の男性とご結婚されました。相手の男性も勇気を出して連絡先を聞いたりしていることに気が付くようになり、興味を持ってくれたことがうれしく感じられるようになったそうです。

結果的に初めに言っていた年収や身長とは異なる方と結婚されましたが、それは彼女が妥協したのでしょうか?いえ、自分が変わって成長した結果、相手に要求することが自然に減っただけですよね。

自分の条件を変えることを「妥協」と呼び、思考停止する婚活中の方は多いです。「ありのままの私を受け入れてくれる人なら結婚してもいいけれど、自分を変えてまで結婚したいとは思わない」と、私だってかつて思っておりました。

1〜2人の男性と会って上手く行かないのは、相性かもしれませんね。ダイエットをしなくても、ぽっちゃり女性が「食べるのが好きだから、一緒に美味しいものを食べられる人と出会いたい」と食べるのが好きという個性を活かしてご結婚されるケースは多々あります。自分に合いそうなニーズを探して、そこにアピールするのもありです。

ただ、10人の男性と会って上手く行かないのならば、100人の男性と会っても誰からも選ばれないでしょう。ニーズのない特徴を「個性」と呼びますか?それはただの欠点でしょう。

非正規雇用ならば結婚のため以前に先々のことを考えて、キャリアアップされた方がいいでしょう。

外見が手抜きならば、ちゃんとメイクも習って、嫁入り前なのだから外見に手間暇お金をかけましょう。女としてアウトなら、人柄は見られません。自分には妥協せず成長してください。

結婚相談所に入れば大丈夫……そう思っている人、よーく自身を振り返ってみましょう。自分が変わらなければ、結婚への道は遠いかもしれません。



■賢人のまとめ
ありのままの私は手抜きです。10人の男性に会ってうまくいかないなら、100人の男性に会っても上手く行きません。

■プロフィール

恋愛・婚活の賢人 菊乃

出会いがない女性向けの恋愛婚活コンサルタント。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活ブログが人気になり2011年に出版独立。著書は「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。具体的で分かりやすいアドバイスは何からやったらいいか分からない方に好評。
ブログは今も毎日更新。https://ameblo.jp/koakuma-mt/  山形県出身、静岡大学卒。