水の摂り過ぎはあなたの体を逆に乾燥させる―間違った保湿対策にご用心

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秋が深まる頃は、大気の乾燥が著しく体表の水分が発散しやすくなり、体内の水分も不足しがち。なのに、肌はサラッとして爽やかに感じられるため、水分補給の必要性を意識しづらい時期でもありますよね。

肌が急にカサカサしたり、くちびるが荒れたり、あるいは関節の痛みや皮膚のかゆみなどでようやく水分不足に気付かされることも少なくないはず。

ところが、冬に入ると、体は冷えによる機能低下を起こしやすくなります。寒さから胃腸の機能が低下して水分を吸収する働きが衰え、胃袋や腸管に水分がたまってしまったり、下痢を起こして体外に排出されたりします。

また、臓器や細胞が冷えることで、水分が上手に取り込めなくなり、行き場のない水分は細胞と細胞の間にたまってむくみを起こすことも。

肌が乾燥したからといって水をガブガブ飲んだとしても、水分は不要な場所にたまるばかりでかえって体を壊しかねません。それに、冷えた体で水をたくさん飲めば、腎臓のフィルター機能が衰えてしまい、余分な水分を排出することが余計に難しくなるんです。

冬場の乾燥を改善、予防する方法は、まず体を温めること。

体を温めれば、体内にたまった余分な水分を発散・排出させやすくなります。それに、胃腸や腎臓などの臓器、各細胞の機能を高めて、水分を取り込む力を回復させることにもなるんですよ。

体を温める食事について気に留めておいて欲しいことをいくつかお話ししておきましょう。

●体が冷えやすい時期こそ、朝ごはんで体温アップ。
朝ごはんを抜くと体の体温が上がらず、低体温になりがち。特に冷え症に悩まされているようなコは、ご飯とおみそ汁で体を温めて、脳にブドウ糖を即効で補給しましょう。

●栄養バランスの良い食事を心掛けましょう。
インスタント食品を頻繁に利用したり偏食を続けていると、栄養バランスが乱れてタンパク質、ビタミン、ミネラルなどが不足し、代謝不良、血行不良が起きやすくなります。そうすると、体を温めることがますます難しくなってしまうので、気をつけましょう。

●体を冷やす食べ物、温める食べ物について知っておきましょう。
南国で収獲される食べ物や、夏が旬の食べ物は体を冷やす傾向にあり、北国で収獲される食べ物や、冬が旬の食べ物は体を温める傾向にあると言われています。

それから、ビールやウィスキーは飲んだ直後は体が温まっても、急速に体を冷やしてしまいます。飲み過ぎないようにしましょうね。白砂糖や白パンなど精製された食品も体を冷やすと言われているので、摂りすぎに注意。

逆に、カボチャやニンジン、ゴボウ、リンゴなどの緑黄色野菜や根菜類、硬い食品は体を温める傾向にあります。しょうがや香辛料なども体を温めてくれるので、料理に加えたり、紅茶に混ぜるなどして日常的に利用したいもの。

茶葉を発酵させて作られる紅茶も体を温めると言われているのでおすすめ。赤ワインや日本酒も体を温めてくれるものよ。でも、飲み過ぎれば体を冷やすもとなので、ほどほどに。

もちろん、気をつけたいのは食事だけじゃなく、生活面でも体を温める工夫が不可欠。下着や服装に気をつけたり、毎日ゆっくり入浴したり、適度な運動を続けたりすることで、体の乾燥もおさまってくると思いますよ。できることから始めてみましょうね。