「ガツガツ婚活までして結婚したいわけじゃなくて、できれば自然に出会いたいです」

「婚活サイトに登録して知り合いにばれたら恥ずかしい……」

私は恋愛・婚活コンサルタントをしているので、そんなことを言って相談にくる女性にたくさん会います。正確に調べてはいませんが、来られる方の半分くらいは片思いをしているわけでもなく、失恋したてでもなく、婚活をしてうまくいかないわけでもない。何もしないで「出会いがないです」と言って、相談に来るのです。

焦り、未来を考えると不安な気持ちになり、頭でっかちになり、ずっと出会う準備をし時間だけが過ぎていってしまう真面目な女性達について今回はお話します。

ピンとくる運命の人に出会うのを待っていたら30代だった

「出会いがないです」と言って相談に来られる30代女性の多くは、数年前から「このままじゃいけない」と思っている方がほどんど。とはいえ、何も出会う努力をしていないのです。

本人は、何もしていないつもりはないようです。恋愛の本やコラムを読んで勉強し、時には縁結び神社や占いに行き、婚活リップや花嫁リップなる口紅を購入して「待っていた」そうです。しかし、そんな相手不在の努力ばかりしても、少女漫画のように出会いがやってくるわけではありません。

かつて私も、自然に出会って恋愛結婚するだろうと思っていました。結婚することになる男性は出会った時にわかる……、と恋愛ドラマを鵜呑みにしてしまう気持ちは分からなくもないですが、そういう「待つ」姿勢は24歳ぐらいまでにしておきましょう。

白馬の王子様を待っていいのは24歳まで!

自然に出会って恋愛結婚する人は25歳の時に出会った彼氏と結婚している?

なぜ、待つのは24歳ぐらいまでなのか、根拠もちゃんとあります。

国立社会保障人口問題研究所では、過去5年間に結婚した初婚夫婦の出会った年齢と結婚した年齢を調査しています。2015年の結果では結婚した平均年齢は男性30.7歳、女性29.1歳。未来の配偶者と出会った年齢は男性26.3歳、女性24.8歳で平均交際期間は4.34年。

29歳で恋愛結婚する女性は、24〜25歳の時に出会った男性と結婚しているのが平均的のよう。このデータに基づけば、30歳ぐらいのステキな独身男性は、彼女がいる場合が多いのです。

「花は自分からミツバチを探しに行きますか?待つの!」のブルゾンちえみさんは20代半ば。30代で待っていたら、つぼみのまま枯れているでしょう。

しかし、指示されたことはできるけれど、受け身が染みついた女性たちはなかなか動けないのが現状です。

結果が出る婚活は怖いから、楽しめる婚活イベントに参加するアラフォー

婚活中という30代後半のアラフォー女性Sさんは、初めて婚活パーティーに参加した時に心を砕かれたそうです。

「34歳の時にアラサー向け婚活パーティーに参加したら、自分は年齢が上の方で他は28歳とか29歳ばかり。マッチングタイムになって、自分に興味を持つ男性が少ないことを知りました。フリータイムの時に、若い女性の前に男性がたくさん集まっていて……。

最後のマッチングタイムでは、自分の希望をかけずに白紙で出しました。白紙なら絶対にマッチングはしません。何か番号を書いたら、選ばれなかったという結果になるのが怖かったんです」

それから彼女はマッチングなどの結果が出ない合コンや、婚活BBQイベントなどの体験型イベントに参加するように。

「行けばとりあえず楽しめるので。連絡先交換はLINEグループでやります。特に向こうから誘いも来ないし、自分からも誘いません」

そんなことをしているうちに、数年経過してしまったそうです。初めから1対1であう婚活アプリや結婚相談所などもありますが、「そこまでして」出会いたくはないのだそうです。それでも一応「婚活中」と本人は思っています。

Sさんのように、婚活が長期化し、婚活がライフワークになる独身者は多いんです。

出会いの場所だけで婚活していると思っていてはダメ!

「自分の理想のタイプが分かったら婚活やります」という迷走女子

一度も交際経験がなく気が付いたら30代だったという女性は、「理想のタイプ」というのが漠然としています。

試しにいろんな男性と出会えば、「こういう人がいいな」「こういう人は合わないな」と気が付くことがあるでしょう。

まるで、「何がやりたいかわからないから就活していません」というフリーターのよう。試しにエントリーして、ご縁があれば試しに入社して、「違うな」と思えば転職してもいいし、試しに入社した会社の中でやりがいを見つけて何年も仕事をする方だっているでしょう。

あるアラフォー女性は結婚相談所に入会して、婚活をスタート。しかし、相談所から紹介される男性も男性側からくるお見合いも、「この人は結婚相手としてイメージつかめない」と言ってすべて断りました。試しに会ってみようというアドバイスに対しても、「結婚するつもりもない男性と会って、相手が勘違すると悪い」と頑なに拒み、完璧に理想に合致する男性にだけお見合いを申込みますが、そういう男性は人気があるため断られます。何か月たってもお見合い0件のまま、時間だけが過ぎてしまいました。

一方で、結婚する方はどこか希望の条件と違っても「試しに会ってみよう」とフットワーク軽く会っています。「試しに会ったらすごくステキな人だった」という発見もあり、気軽に会う方はどんどん婚活を卒業していきます。

完璧な履歴書を作成しようとして、エントリーしないまま2年経過

社会人になった年が就職氷河期だった30代の方の中には、非正規雇用のまま年を重ねてしまったという方も。

2年前に婚活メイクセミナーに参加したある非正規雇用の30代女性は、「これから転職や婚活も頑張る!」と言っていました。そして、2年後にまた相談に来られたのですが、どこの会社にも応募していなかったのです。

転職活動について調べて、行政の履歴書添削や適職診断を受けて「ちゃんとした書類を用意してからエントリーしようと思っていた」そうです。就労支援の仕事をしている方の話を聞くと、彼女のように完璧な書類作りを目指して、いつまでたってもどこにも応募しない完璧主義の方は珍しくないのだとか。

100点の書類作成に時間をかけてしまうなら、試しにエントリーして、手ごたえを見ながら書類をブラッシュアップしていけばいいんです。転職にしろ、婚活にしろ、年齢は1歳でも若い方が有利!60点の履歴書で2歳若いうちに応募したほうが、面接にこぎつける可能性は高いでしょう。

やり続ける人にとって失敗は全て経験

「失敗したくない」というお気持ちは分かりますよ。でも、あえてそこは失敗してください。恥もかいてください。

初めて参加した婚活パーティーで惨敗でも、その経験を活かして年齢が不利にならない企画に参加するなど、いろいろ工夫することもできます。

試しに付き合ってみた人と結婚した、試しに入った会社でリーダーになったというのはよくある話。

食事に誘うのも連絡先を聞くのも男からするものだと思い込み、受け身で気が付けば30代になったある女性は、思い切って自分から婚活パーティーに参加しました。積極的に自分から話しかけて、そこで出会った男性と結婚したそうです。

彼女は170cm近く身長があり「180cm以上の男性」というのが条件でしたが、試しに自分と同じぐらいの身長の男性と会ってみることにしたのです。今では、「付き合うのに背の高さはあまり関係ないですね」だそうですよ。

行動し続ける人に失敗はそれだけで終わることなく、経験として積み重なっていくことを覚えておいてください。


 恋愛・婚活の賢人菊乃

出会いがない女性向けの恋愛婚活コンサルタント。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活ブログが人気になり2011年に出版独立。著書は「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。具体的で分かりやすいアドバイスは何からやったらいいか分からない方に好評。
ブログは今も毎日更新。https://ameblo.jp/koakuma-mt/  山形県出身、静岡大学卒。