豊富温泉は黄濁した湯が特徴

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美肌になりたいと願うみなさん、日本最北限の温泉郷、豊富(とよとみ)温泉の湯に絶対入ってみて!この湯に浸かると肌がキレイになると言われていて、温泉通の人たちや皮膚疾患を抱える人たちの間で人気なんです。

手ですくうと黒っぽいものが。実はこれが石油成分を含む美肌の素、湯の華なんです

日本最北の駅、稚内駅を目指す宗谷本線の旅。第三回目の今回は稚内駅の少し手前、豊富駅で途中下車してバスに乗り約10分、豊富温泉へ浸かりに行ってみます。

■ 全国から人が集まる美肌の湯の正体は、なんと石油!?

豊富温泉は、大正時代に石油の試掘をしている時に天然ガスとお湯が噴出したことで、昭和時代初期に開湯した温泉。温泉宿が数軒と日帰り入浴施設が1軒あるだけの小さな温泉郷ですが、年配客のほか若い人たちが全国からここを目指してやってきます。

というのも、豊富温泉の泉質は重曹成分などとともに、なんと石油が混ざっている珍しい湯! 温泉に含まれる重曹成分が肌の角質などを落として綺麗にする効果が高く、油分が肌を保湿するとともに抗炎症作用がある、と考えられています。そのため、アトピーや乾癬に悩む方々をはじめ全国各地から、最北限の美肌の湯に集まってくるのです。

日帰り温泉施設の「豊富町ふれあいセンター」内には温泉の総合案内所「コンシェルジュ・デスク」があり、移住してきた若い人たちが温泉コンシェルジュとして、温泉の紹介はもちろん湯治や移住の相談にものってくれます。お肌のトラブルで悩む方は行ってみる価値あり!

石油が混ざる珍しい湯。入浴後のお肌のしっとり感をぜひ体感してみて!

【豊富町ふれあいセンター】●住所:北海道天塩郡天塩郡豊富町字温泉 ●電話:0162-82-1777 ●営業時間:8:30〜21:00(最終受付20:30)※年末年始は時間短縮 ●定休日:元旦、整備日(毎年4月10日前後の4日間) ●料金:大人510円、小学生250円、65歳以上380円※毎月26日は「ふろの日」として大人250円、小学生無料

■ 川島旅館で天然のオイルバスと新鮮な北海道食材を満喫

続いて豊富町ふれあいセンターの向かいにある「川島旅館」に一泊してみました。1927(昭和2)年開業の温泉宿で、2016年に改築しリニューアルした、きれいすぎる老舗旅館です。

中へ入るとぱっと明るく広々とした空間が広がり、気さくな若女将が出迎えてくれました。ほっと心が落ち着くアットホームな雰囲気。靴を脱ぎ、木の温もりを感じながら、翌朝までゆったりほっこり寛げます。

温泉は豊富町ふれあいセンターと同じく石油分がほんのり混ざる黄濁した湯で、源泉100%かけ流し。男女とも内湯と露天で楽しめるほか、貸切露天風呂も。大地が生み出す天然のオイルバスは、湯上りはもちろん翌朝の肌のハリとツヤがぜんぜん違う! 滞在中何回でも入りたくなる、正真正銘の美肌の湯です。

温泉宿の楽しみは入浴とともに食事も。川島旅館三代目板長が作る料理の素材は、自家栽培の野菜やハーブをはじめ、道内各地のこだわり野菜と豊富町の乳製品、近郊の魚介類や肉類などを使用。素材自体の風味を活かして、健康な身体と美しい肌に必要なものをバランスよく取り入れた献立です。

一泊なんてもったいないっ! ここで暮らすように何日でも過ごしたくなる温泉宿です。

■ 「湯あがり温泉プリン」と「BUTTER FIELD(バターフィールド)」は外せない!

豊富温泉へ訪れたら、川島旅館の「湯あがり温泉プリン」(1個320円)と「BUTTER FIELD(バターフィールド)」(1個840円〜)は要チェック! スイーツ好きな人やグルメ通の人に人気のアイテムなんです。

湯あがり温泉プリンは、豊富町産の新鮮な牛乳と濃厚な生クリームをたっぷり使ったオリジナルスイーツ。もともとは三代目板長が旅館の夕食のシメに出していたデザートでしたが、あまりに好評なので商品化。

ミルクの風味を感じる「プレーン」のほか、濃厚さが際立つ「特濃」、「紅茶」「抹茶」「キャラメル」のほか、宗谷の塩を使った「塩」や北海道丸大豆の醤油で作った「醤油」など、続々と新味が登場。川島旅館といえばプリン、というほど代表的な商品になりました。

いっぽう「BUTTER FIELD」は、豊富町産の牛乳から作ったフレーバーバター。ハーブやフルーツをはじめ、北海道産のさまざまな旬の素材を練り込んだ純北海道産バターです。

フレーバーは大きく3タイプ。ハーブタイプはタイム、バジル、セージなどで、パンや料理に合います。ジャパニーズタイプはなんとウニ、鮭節、昆布塩、山ワサビ、行者ニンニクなど意外な食材。これら、ごはんの上に軽くのせて醤油を垂らすととてもいい塩梅! フルーツタイプはリンゴやイチゴなどで、スイーツにもワインなどのお酒にもピッタリ。

川島旅館では朝食でジャパニーズタイプのいずれか1つ出てくるので、ぜひごはんのお供に。きっとハマってお土産に買いたくなること間違いなし!

プリンやバター、みなさんはどれを食べてみたいですか? 一つ食べてみると、きっとリピートしたくなりますよ。

川島旅館 ■住所:豊富町字温泉 ■電話:0162・82・1248 ■日帰り入浴時間:10:30〜22:00 ■料金:1泊2食1名9500円〜、日帰り入浴大人800円、小人400円

次回は宗谷本線の旅の最終回、日本最北の駅、稚内駅へ下り立ちます。

※記事中の写真の一部は、豊富町ふれあいセンターと川島旅館からの提供。

※駅や列車、お店の紹介内容は2017年10月現在の情報です。(北海道ウォーカー)