頭を悩ませる問題です

写真拡大

理不尽なPTA役員の押し付けにあったマリコさん(仮名)。千葉県に住む40代、4児のママは、いかにしてPTAに立ち向かい、役員免除を勝ち取ったのかを、聞いていきます。

前編は、押しつけてきたPTA会長から泣きつかれたところまで。「退会することも考えている」と啖呵を切ったマリコさんですが......。

(前篇はコチラ)

PTA退会でイジメ?

結局、PTA会長からの連絡はなく、マリコさんの役員の話は立ち消えになりました。長男は小学校を卒業、現在中学1年になっています。その間、もしPTAを退会した場合に備え、長男が理不尽な目に合うことがないよう対策を考えたそうです。

たとえば、校庭で児童が休むベンチをPTAが寄贈しています。また、卒業式にはPTAが卒業生一人ひとりに記念品を贈ります。長男がベンチに坐れず、卒業式に記念品をもらえない事態まで心配したそうです。

実際、週刊誌「アエラ」がPTA問題を特集した「必要? 不要? PTA」(2014年4月17日号)では、PTAを退会した鹿児島県の40歳女性が経験した「いじめ」を紹介しています(要約抜粋)。

「長女の時の役員選びの煩わしさから、次女の小学校入学と同時にPTA退会届を出すと、すぐさま校長に呼ばれ、こう非難された。『道義的に問題がある。ほかのお母さん方に説明してください』。どうにか退会届は受理されたが、今度は担任から電話があった。『非会員の子どもは夏休みのプールには保護者同伴でなければ入れません』。PTAの母親たちが当番でプール監視をしており、非会員の子どもは監視しないというのだ。当時、女性は3人目を妊娠中で、炎天下のプールサイドに立てるわけがなく、途方にくれた......」

PTAと闘うには規約などの「文書」を確認しよう

さて、話をマリコさんに戻しましょう。改めてマリコさんにPTAと闘ううえで大事なポイントを聞きました。

――みんながあなたのように闘うにはかなりの勇気が必要だと思います。

私にはやることがいっぱいあり、ママ友と仲良くお喋りする時間がもったいないです。ママ友も1〜2人しかいませんし。PTAは保護者と先生の交流の場で、たとえば、ソフトバレー大会なんかをやったりしますが、好きな人だけでやればいいでしょう? 私には一切興味がありません。

――しかし、多くの人は波風を立てたくなくて、役員を引き受けています。

そういう人は『空気を読むこと』しか知らないのです。『この人は敵に回すとまずいぞ』と相手に思わせるのが一番です。それには、ビジネスの世界では当たり前のことですが、文書を確認することです。私はPTA会長に質問状を出し、回答も文書でもらいました。口で話しただけでは、たいていの女性は相手に丸め込まれてしまいます。

――文書を残したり、文書でPTA側の主張の根拠を確認したりすることが大事なのですね。

はい。もし、PTAを退会した場合に備え、徹底的にPTA会則を読み、ほかのPTAでのケースも調べました。どこにも『ベンチに座ってはいけない』とか『記念品をもらえない』とか書いてありません。私はきちんとPTA会費を払っていますから、もし退会しても理不尽な対応をされるいわれはありません。アエラの記事の退会した女性も、PTA会則に『プールに来てはいけない』と書いてあるかどうか確認するべきだったと思います。

たったひとりでPTAに立ち向かったママ 「私は壮絶バトルで役員免除を勝ち取った」(前編)