ココナッツオイルよりスゴい?話題の「MTCオイル」をCHECK

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いま、健康食品やスーパーフードなど多くの商品が出回っています。

その中でもオイルブームが到来し、今では数々のオイルが注目を浴びています。ハリウッドセレブがココナッツオイルを使っているということで、ココナッツオイルダイエットが日本では流行りましたね。

みなさんはブームだけで終わっていませんか?

今回は管理栄養士の筆者がココナッツオイルよりすごい“MCTオイル”についてお伝えします。その意味を理解してうまく食事に取り入れてみてください。

MCTオイルってなに?

MCTオイルとは“中鎖脂肪酸”のことで、ココナッツやパームフルーツのヤシ科の植物の種子の核の部分に含まれる成分です。

また、母乳や牛乳にも含まれており、普段から私たちが摂取しているものです。

油は構成上、長鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・短鎖脂肪酸の3つに分けられ、一般的に使われているサラダ油やオリーブオイルなどの植物油はほとんどが長鎖脂肪酸なのです。

中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸よりも短い構造のため消化吸収が早く、エネルギー効率がとてもよいのです。

エネルギー効率がいい理由

中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸に比べて長さが短いため、水になじみやすい特長をもちます。そのため、水に溶けやすい糖などと同様に、小腸から門脈を経由して直接肝臓に入り、分解されます。

一方、長鎖脂肪酸は小腸から消化・吸収されたあと、リンパ管や静脈を通って脂肪組織や筋肉、肝臓に運ばれ、必要に応じて分解・貯蔵されます。

このように消化・吸収後の経路が異なるため、中鎖脂肪酸は一般的な油に含まれる長鎖脂肪酸に比べて4〜5倍も速く分解され、短時間でエネルギーになることが特長です。

MCTオイルはダイエット効果がある!?

ウォーキングやジョギングなどをしているとき、20〜30分ほどすると脂肪が燃えてくると聞いたことはありませんか?

身体は普段エネルギーの源である糖分を先に使い、当分が切れると蓄えてある脂肪をエネルギーとして使い始めます。

MCTオイルは短時間でエネルギーになるのが特徴なので糖分よりも脂肪を使いやすい状況にしてくれる効果が見込めるため、ダイエット効果があるといわれているのでですね。

ココナッツオイルとの違いは?

MTCオイルはココナッツオイルよりも体脂肪を蓄積しにくく、効率よくダイエットをサポートします。ココナッツオイルの中鎖脂肪酸含有量は60%前後で、その他脂肪として蓄積しやすい長鎖脂肪酸やそれ以外の成分が含まれています。

これに対してMCTオイルは中鎖脂肪酸が100%。ダイエットをサポートするケトン体に変換しやすいと言われているカプリル酸(C8)、カプリン酸(C10) のみで構成されています。

また、香りはなく無味無臭なので、さまざまなドリンク、料理にお使いいただけます。ココナッツオイルは加熱が可能ですがMCTオイルは加熱には弱いので、ヨーグルトに混ぜたり、オリジナルドレッシングとして使われるのもいいかと思います。

使う頻度は1日に小さじ3杯くらいを分けて摂取できるといいです。しかし、一度に多く使用すると下痢や腹痛を起こすこともありますのでご注意ください。

ココナッツオイルやMCTオイルはそれぞれ特徴があります。食材に含まれる栄養素は一過性に富んだものもありますが、その意味をしっかり理解すれば身体にとってはとても有効的になります。

「これさえ摂ればいい!」ではなく「これも取り入れてみよう」というふうに食事のバリエーションを増やすことが大事になります。ただ情報に流されるのではなく、賢く使い方を理解してうまく使うようにしましょう。

【参考】

※ YUKIE(2016)『読むオイル辞典』(主婦の友社)

中鎖脂肪酸100%のMCTオイルでダイエット - ヘルスケア大学 

※ 中鎖脂肪酸サロン - 日清オイリオ

【画像】

※ nenetus / shutterstock

【筆者略歴】

大嶋浩俊

普段何気なく食べている食事を意識することで、より美しく健康な身体に近づけることができます。”何をどうしたらよいかわからない”といった皆様のお悩みに、食のプロ管理栄養士がパートナーとしてお答えします。