「ホットケーキセット」(ドリンク付き980円)。ホットケーキは「食べやすさもおいしさのうち」と、バターを塗り、カットして出してくれる/

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食事系のものも含まれるパンケーキと違って、甘くて厚みがある、昔ながらの懐かしい味のホットケーキは、コーヒーとの愛称もバツグン!そこで、関西で昔から変わらない味を出し続ける、老舗の純喫茶のホットケーキを厳選して3店紹介。蜂蜜やシロップをたっぷりかけて食べる、元祖スイーツ「ホットケーキ」を純喫茶で味わおう!

【写真を見る】ミッドセンチュリーモダンという言葉がふさわしい、タイムスリップしたような店/純喫茶アメリカン

■ 食べ手のことを考えた“出し方”も人気の秘密

大阪・難波の「純喫茶アメリカン」は、終戦の翌年に創業。喫茶店は待ち合わせに使われることが多いため、人目に付きづらいよう道頓堀から横に入った今の場所に店を構える。しかし隣の火事により店は半壊、1963(昭和38)年に鉄筋5階建てのビルに建て替えた。創業時から良質の素材を使った本物の味が評判を呼び人気店に。「もうけたお金は店につぎ込む」と自動ドアやトイレの自動手洗い器などをいち早く導入した。現在、店を切り盛りするのは創業者の孫の山野陸子さん・誠子さん姉妹。毎日の手入れを欠かさず、当時の姿と味を守り続けている。

「ホットケーキセット」(ドリンク付き980円)。ホットケーキは「食べやすさもおいしさのうち」と、バターを塗り、カットして出してくれる。

ミッドセンチュリーモダンという言葉がふさわしい、タイムスリップしたような店。芸能人のファンも多い。

■ 専用の銅板で焼き上げるホットケーキ

大阪・難波の「丸福珈琲店 千日前本店」は、創業者が東京・銀座でコーヒーに出合い衝撃を受けたことから開業。はもとは西成で営業していたが、戦後に千日前へ移転した。抽出器を自ら考案するなど研究を続け、独自の焙煎技術で“深煎りの極み”と呼ばれるコーヒーを生み出し、今もなおその味が受け継がれている。

「ホットケーキ」(600円)は注文を受けてから銅版板で焼き上げる。「ブレンド珈琲」は(560円)。

【壁に床、ディテールにまで昭和を懐古させる異空間】アンティークのステンドグラスや豆をイメージした床のデザインなど、こだわりがあふれる。

■ 苦味、酸味が絶妙なコーヒーとホットケーキとの相性が抜群

京都・三条の「スマート珈琲店」は、昭和7年に洋食店として開業し、戦後の物資不足からコーヒーがメインの喫茶店になった。創業者から一子相伝で受け継がれる自家焙煎コーヒーは、5種の生豆をブレンドしネルドリップでゆっくり抽出。コーヒーと相性のよいホットケーキも創業時から変わらぬ味を守っている。

【いつ食べてもおいしい安定した味のホットケーキ】「ホットケーキ」(650円、セット1100円)。マスターが生地を仕込みベテランスタッフが丁寧に焼き上げる、厚み約1.8cmのホットケーキ。あと味がよく、食べ飽きないのが魅力。

スイスの山小屋をイメージした店内。【関西ウォーカー編集部】