「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー〜シャイン・オン!〜」 ©Disney 撮影 / YOSHI

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「いちばんの感動は、最後にやってくる。」

TDS15周年花火に隠されたメッセージとは?「現実に戻りたくない……」アナタにこそ見てほしい3つの理由

この言葉は、2017年1月13日から3月17日まで開催中のイベント「東京ディズニーシー15 周年“ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ”〜グランドフィナーレ〜」のCMで謳われているキャッチコピーです。

「"Wish"を輝かせる冒険の旅」をテーマに、2016年4月からスタートした東京ディズニーシー開園15周年のイベント。

2017年1月からはグランドフィナーレ仕様になり、グッズのデザインやショーの演出が少し変わりました。

変更前と変更後はどちらも15周年をお祝いする内容ですが、細かく見ると、フィナーレ用のショーやグッズには、「Wishを"叶える"」すばらしさや、未来へ進む「決意」という、フィナーレにふさわしいメッセージが付け加えられているのが分かります。

フィナーレ前後のグッズやエンタメを比較しながら、CMの文言である「最後にやってくる感動」とはどういう意味なのか、一緒にひも解いてみましょう。

"Wish"を叶える姿は描かれなかった、フィナーレ前のグッズデザイン

メッセージの変化を考える上でまず注目したいのが、フィナーレ前後のグッズデザインの違いです。

イベント開始当初から販売されていたグッズのひとつに、15周年のロゴの周りに、ディズニー映画の登場人物が描かれたシリーズがありました。

イラストに描かれたキャラクター達をよく見ると、それぞれの願いを叶える「前」の姿が特徴的。

例えば、「人間になりたい」と願うアリエルやピノキオは、人魚や、操り人形の姿で描かれているし、金髪のラプンツェルは、「空に浮かぶ光を見てみたい」と塔の中で憧れているシーンが描かれています。

これらのデザインからは、「Wishを"叶える"」こと自体よりも、願いに思いを馳せ、夢を追いかける過程を楽しんでいるテーマ性がうかがえます。

こうした「Wishをさらに"輝かせる"」というメッセージは、フィナーレ前のグッズやエンタメ全般において随所に見られていました。

一方、1月スタートのグランドフィナーレ版のグッズはどうでしょうか。

伏線回収? フィナーレ用のグッズでは、ついに"Wish"を叶えたデザインに

グランドフィナーレ仕様のグッズにも、15周年のロゴの周囲に、ディズニー映画の登場人物がデザインされています。

しかしよく見ると、どの映画のシーンも物語が進み、まさに願いがかなった瞬間のイラストになっています。

ピノキオの鼻は操り人形ではなく、人間の形になっていますし、アリエルも人間の姿でエリック王子と結ばれた場面に変わっています。

ラプンツェルも短い茶髪になり、閉じ込められていた塔ではなく、故郷の王国で幸せに暮らしている様子で描かれていますね。

さらに、15周年のロゴの下には、「Wishes Do Come True」の文言も。

フィナーレ前には見られなかった「願いを"叶える"」すばらしさが強調された、ディズニーのエンディングにふさわしいメッセージに変わっているんです。

こうしたデザインの変化を見ると、フィナーレ前まで「Wishを"叶える"」視点が強調されてこなかったという伏線を、9か月の時を経て回収できたような気持ちにさせられます。

ただし、東京ディズニーシーで刻まれる時間は、ディズニー映画とは違い、ここでエンディングではありません。

さらなる未来へ進む「決意」まで感じさせてくれるのが、フィナーレ仕様のハーバーショー「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー〜シャイン・オン!〜」です。

フィナーレ仕様のハーバーショーは、16年目以降の未来を見据えた内容に

2016年4月にスタートした15周年のハーバーショー「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」は、「ディズニーの仲間たちと一緒に"Wish"を輝かせ、新たな冒険へと旅立つ」ストーリーでした。

一方、2017年1月からのフィナーレ版「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー〜シャイン・オン!〜」では、大まかなテーマはそのままに、15年間の歴史をより立体的に感じさせ、さらなる未来への旅立ちを示唆させる内容になっています。

追加されたシーンで特に印象的なのは、クリスタルの使者がショー中に語る、

「15年前、この海から、ひとつの旅が始まりました。時を経て、旅人たちの様々な願いは、たくさんの思い出となって輝き続けています。」

という言葉と、2001年の開園当初から愛されている「東京ディズニーシー・テーマソング」が流れる場面。

フィナーレ版のショーからは、単なる航海の始まりに留まらず、15年間の歩みを踏まえ、16年目以降も見据えた「未来」へ進む決意が色濃く感じられるのです。

メッセージの変化こそ、最後にやってくる感動だった!?

ここまで、フィナーレ前と後のショーやグッズの変化を見てきましたが、いかがでしょうか。

ハーバーショー「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー〜シャイン・オン!〜」の夜公演や、新たに加わった音楽やシャボン玉の演出、新グッズの発売など、はっきりと目に見えて分かるフィナーレの変化ももちろん「感動的」です。

しかし、年間パスポートで15周年の東京ディズニーシーに通い続けた私にとっては、グッズやショーから感じられる、些細ながらも確実に前進しているメッセージの変化こそが、フィナーレに待ち受けていた「いちばんの感動」でした。

東京ディズニーシーで1年間にわたり、ゲストの"Wish"と共に繰り広げられた大きな物語。

そのフィナーレと、その先へ続く期待感を、あなたもぜひ現地で体感してみてくださいね。