気持ち的な妊娠適齢期って意外に高齢なのかもしれません。

みなさんこんにちは。もやもやスプーニスト 白玉あずきです。本日も心の奥底に澱のように溜まる女のもやもやを、上から目線でセラピってみたいと思います。

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本日のテーマは「好きな人の子どもを産みたいと思う女心」です。

3月30日。女優の藤原紀香さんが歌舞伎俳優の片岡愛之助さんと再婚され、翌31日におふたりの結婚会見がニュースになりました。

記者からの質問の返答にちょいちょい挟み込まれる関西弁イントネーションがビジネス的と揶揄されたりだとか、それを「嘘っぽい」と分析したバラエティー番組に対して「涙が出た」と紀香さんがブログで反論したりだとか、週を明けても薄めに話題になっていますが、DAIGO&北川景子さんの結婚会見のときのような祝福感で満たされないのはなぜ?

愛之助さんが伏目がちに答えるたび、そして紀香さんがウキウキとマイクを握るたびに、思い出されて仕方がない熊切あさ美さんの号泣顔と赤裸々な未練トーク。過去のいろいろをわりと具体的に知っちゃってることが、手放しで喜べない理由のひとつなのかもしれません。

テレビ業界では、披露宴をテレビ中継できるかが話題になっています。でも、それもう2007年に1回見たし。陣内バージョンだったけど。
きっとオファーが来たら、実現しそうな気もします。紀香さんには「求められているなら、見せてあげる」感があるし。でもそれ……一般人には少々重荷。ちょっとは知りたいけど、全部はいいや、というのが本音です。

とはいえ、今回の会見で紀香さんと同世代のあずきが何より「は!」としたのは、「好きな人の子どもを産みたいと思うのが女心ですから」という紀香さんのコメントです。

出産経験のない44歳の女性に「お子さんのご予定は」と尋ねる記者のメンタルもすごいと思いますが、それはまぁ結婚会見の“お約束ごと”なのかもしれないとして、愛之助さんが自身の経歴を踏まえて「歌舞伎後継者としての世継ぎ的には養子という選択も」と華麗にスルーさせたと思いきや、すかさずマイクを取っての「でも、私は産みたい」からの「好きな人の子どもを産みたいと思うのが女心」発言。女心というよりもむしろ乙女心です。

女優の田中美佐子さん(当時43歳)や、作家の林真理子さん(当時44歳)など、紀香さんと同じ年代の方が妊娠、出産された事例ももちろんありますし、高齢出産枠ではあるものの、可能性はゼロではありません。産みたいと思うのは自由です。なので、そこは納得なのですが、あずきは恋愛日照りのせいか、すっかり忘れていたのです。「好きな人の子どもを産みたい」という気持ち。

私たちは、○歳までに結婚したい、○歳までに子どもが欲しいというライフプランをつくり、それを叶えるために相手を見つけなくちゃ、という思考で生活しています。だから焦る。

自分の人生に「妊娠・出産及び育児」を入れたいかどうか、YESならそのために今何をしなければいけないのかと考え、合コンしたり婚活したり、妊活したり。でも、「この人なら結婚してもいいかな」とか「この人の子どもなら産んでもいいかな」という「かな」的思考は、熱烈な「この人の子どもを産みたい」願望とはまったく別物です。

そして、結婚した相手に対し、そんな風に思えるなんて紀香さん、幸せね。と思った次第なのですが、でも待って。そういう感覚って、“そこそこいい年”にならないと芽生えないのかも知れません。

紀香さんだって、最初の結婚は36歳くらいでしたが、そのときはお子さんを持たれなかった。36歳も“そこそこいい年”と考えがちですが、仕事もおもしろい、女友達と遊ぶのも楽しい。まだまだ自分の人生そのものの可能性を広げたい、と意欲が膨らむバイタリティーに溢れている時期でもあります。

そりゃ、高校生の頃などには、ノートの片隅に好きな人の名字の下に自分の名前を書いて浮かれたこともありますが、社会に出て、仕事に明け暮れる合間に「結婚」「妊娠」を考えると「現実的に今はちょっと」と先延ばしにしてしまうのも無理はない。

ライフプランが「子どもを絶対に産む」という女性はともかく、働き女子は自分の生活が整ったり、やり切った感が出たりしてようやく、落ち着いた気持ちになって、ようやく「子どもを産む」というところに気持ちが動くんではないでしょうか。そして、改めて好きな人へ気持ちがまっすぐ向く。“そこそこいい年”になって、やっと気づくなよというツッコミもありましょうが、漠然と「いつか子どもを産んで〜」って思っているような女子は、すぐ目の前の現実以外を後回しにしがちなのです。

そんなこんなで初産高齢化は仕方ありません。保育園の待機児童問題も、男性の育児休暇取得問題も解決には時間がかかりそうだし、むしろ医学に頑張っていただいて、安全に高齢出産が迎えられる技術を高めていってもらったほうがありがたいのではとすら思います。
母親の年齢が高いほうが、精神的に余裕をもって子育てができるというメリットもあるそうですし。仕事で活躍できる時期はバリバリ稼いで、経済的にも余裕のある中で育児ができたら、それはそれで楽しいのではと夢見たりして。

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藤原紀香さんと同世代のアラフォー女性に聞いた「“44歳、好きな人の子どもを産みたい女心”はわかりますか」インタビューは続編で。

 

■プロフィール

 白玉あずき

東京都出身。清泉女子大学卒。学生時代より活字メディアに携わり、四半世紀にわたり女性のおしゃれと恋愛とダイエットについて考察、記事にする。現在は雑誌や単行本の編集、制作に加え、女性コンテンツのプロデュースやディレクションなど多分野で活動。最近の生きるテーマは社会貢献と女性支援。