20代女子と相性良いってホント? 付き合う前に知っておきたい「40男」の生態

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芸能界やスポーツ界など、著名人の「年の差婚」は珍しくなくなってきました。

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加藤茶さんと結婚した綾菜さんをはじめ、篠原涼子さんと市村正親さん、伊原凛さんと松本人志さん、小野ゆり子さんと大森南朋さんなど、みな、年上の男性と結婚しています。一昔前では大きな驚きとして伝えられた年の差婚ですが、最近はそこまで珍しい結婚スタイルではなくなってきています。

また、結婚まで至らなくとも、年上男性とのお付き合いも随分と身近になってきたのではないでしょうか。養命酒製造株式会社の調査によると(2009年)、20〜30歳の未婚女性502名のうち、「おじさんでも人によっては恋愛対象になる」と答えた人は実に72%に。その他にも、「20代女性」と「40代男性」は相性が良いといった調査結果や、関連する書籍などが出て話題となりました。

なぜ、女性は、20代というモテる時期に同世代ではなく、年上男性に心を許すのでしょうか。

40代前後のおじさん世代って、どんな世代?

考えられる理由としては、やはり同世代にはない「経験値」。心理的・経済的に年上男性の方が経験豊かです(なかには例外もありますが)。

女性の悩み事にもそれなりに応えることができ、ちょうど良い距離感で寄り添ってくれる年上男性。嫉妬心丸出しで女性を束縛する同世代とは違いますよね。経済面でもさほど苦労することはないでしょう。

早くに結婚して家族に貯金を持っていかれた男性よりも、長く独身生活を送った分、貯えがあります。そういったあらゆる面に見える“余裕”が女性を虜にするのです。

しかし、どんなに素敵な男性であっても、やはり、長くお付き合いをしていくうえで、少なからず「ズレ」が出てくるもの。埋めようのない年齢の差というものがあるのです。

ですので、今回は、もし40代前後のおじさん世代とお付き合いした時に理解しておきたい、おじさん世代の生態について考えてみましょう。

40代でも意外と多い、“残された男たち”

参考にしたのは、武蔵大学社会学部助教の田中俊之氏の著書『<40男>はなぜ嫌われるか』。同書では、40代男性の内側を詳しく紹介しています(2015年時点で30代後半から40代前半までの男性を、本書では「40男」と呼んでいます)。

まずは、結婚観について。同書によると、25歳〜29歳までの男性の未婚率は69.2%とのこと(2010年の調査)。同様に30歳〜34歳で46%、35歳〜39歳で34.8%、40歳〜44歳で28%となります。40代に入ってもいわゆる“残された男たち”は30%ほどいるのです。

そんな彼らには、「もしかして結婚しない人生を送るのだろうか……」とマイノリティとなった自身の立場に焦燥感を隠せなくなると、田中氏は言います。余裕のある世代ではあるのですが、一方では、早く結婚したいという願望もあるのですね。

もう少し40男の価値観や時代背景を見てみましょう。

40男の小学生時代にはランドセルは黒と赤の2種類しかなく、出席簿は男子が先で女子が後となっていました。ランドセルにバリエーションはなく、出席簿も男女混合ではありません。基本的に男女がふたつにわかれて育ちました。

両親ら大人を見てみると、男性は仕事をするもので、女性は家庭を支えるものという思考が“当たり前”でした。いまの時代の流れに合わせてイクメンになってくれる可能性もありますが、上記が幼少期の常識だったのです。

難しい問題に直面し続けてきた世代

40男が成人したいまから20年前の1995年といえば、音楽でいうとMr.Childrenやスピッツ、THE YELLOW MONKEY、LArc-en-Cielなどが人気を博していました。今でも活躍するアーティストもいるので、それほど昔に感じないかもしれませんね。

その頃に就職した世代は、ロストジェネレーション世代とも言われています(1972年〜1982年生まれが該当)。求人倍率が低下した時期に就職した割を食った世代です。

世の中は景気の悪いニュースがあふれ、デフレ不況も深刻化。マクドナルドのハンバーガーは59円にまで値下がりしたことも。民主党政権の誕生を目の当たりにし、アメリカ同時多発テロ、東日本大震災など、私たちの生き方の根幹を見直さなければと考えさせる事件や災害が発生しました。

どの世代も様々な出来事に影響を受けるものですが、特にこの世代は難しい出来事が多かったのかもしれません。成人して20年、経験値という意味では余裕があるように見えますが、その反面でなかなか難しい問題に直面し続けてきたのです。

「昭和らしさ」と「平成らしさ」の狭間で

田中氏もまたこの世代について、

「男は家庭を顧みず仕事だけをしていればいいという『昭和らしさ』と、ワークとライフのバランスに気を使い、家事や育児も頑張ろうとする『平成的男らしさ』の狭間に生きている、『働いてさえいればいい』と開き直ることは難しいけれど、若い世代のようにさらりと家事・育児をこなせるわけではない」

と分析します。

なるほど、表向きの姿からはなかなか想像できない、40男の苦労が浮かび上がってきました。特に男性と女性の“役割”については、時代に合わせて自らの価値観を変化させてきた世代でもあるのです。

もし、あなたがこの世代の男性と付き合うことがあったら、思い切り甘えながらも、彼らの迷いや苦しみをくみ取ってあげることができれば、より良い人間同士の関係になることができるのではないでしょうか。ぜひ、参考にしてみてください。

【書籍情報】『<40男>はなぜ嫌われるか』田中俊之著 イースト・プレス