0歳の息子を抱き、号泣しながら地域包括支援センターに駆け込んだ。産後半年で始まった“壮絶な義母介護”
自分が使うものはすべて完璧でないとならず「自分の思い通りにならないと何もかもが嫌になる」とも言われた。要するに女王様気質なのだ。こんなワガママな人間には生まれて初めて出会った。
よくこんな性格で生きてこられたなと不思議に思ってしまうし、夫に義母はいつからこうなのかと聞いても、「母親のことが嫌いで祖母に育てられたようなものだし、中学くらいかあまり家に帰っていなかった。母親のことは反面教師として生きてきた」と言われた。
「口の中に腫瘍らしきものがあって、すぐに●●病院の予約を取って、口腔外科の一番ベテランの先生にお願いしてくれるって」
腫瘍……。悪性だとすると要するに口腔がんということだ。悪性かどうかは検査をしないとわからないらしいが、かなり深刻な状態だと思うと医師は話してくれたとのことだった。
義母がほとんど食事を摂らないことを散々責めてきたが、もしかしてがんのせいで食べられなかったのかもしれない。そうだとしたら悪いことをしてしまった。
夫は歯科の帰り道に義母に謝ったというので、私も帰宅した義母に「今まで無理に食べさせようとしてすみませんでした」と謝った。検査結果が出るまでリハビリもしばらく休ませることにし、「がんでもうすぐ死ぬかもしれないし、理不尽なことも怒らないでいてあげよう」と夫に言われた。
性格が悪すぎると思っていたのも、もしかすると腫瘍が脳を圧迫して攻撃的な性格になっているだけかもしれず、手術で取ってしまえば性格も良くなるのではないかと夫は言っていた。
数日後、総合病院の口腔外科に連れて行った。絶対がんなんだろうな……。しかし、義母の口の中を覗き込んだ医師から言われたのは意外な一言だった。
「これは悪いものではないです。口蓋隆起という良性のコブのようなもので、アジア人の7割にあります。手術の必要もありません」
つまり、がんではない。死ぬかもしれないからと優しくした意味とは……? 性格が悪いのは腫瘍が脳を圧迫していた影響ではなく、天然由来のものだった。
◆ママ友付き合いを失敗したかと思いきや
壮絶な介護に追われているが、週1回は息子と児童館に行くようにしている。保育士さんの読み聞かせがある曜日に行っているのだが、その日はお盆で読み聞かせが休みだったので、オモチャで遊ぶ息子を見守りながらほかのママたちとおしゃべりに興じていた。

