彼女が俳優業で評価されはじめたのは2000年代中頃から。

 たとえば映画『恋愛寫眞』(2003年公開)や映画『下妻物語』(2004年公開)などの演技が高評価され、主演した映画『接吻』(2008年)では、殺人鬼と獄中結婚する主人公を怪演し、「ヨコハマ映画祭」で主演女優賞を受賞。また、映画『八日目の蟬』(2011年公開)では、劇中の事件を追うフリーライター役で存在感を示し、「日本アカデミー賞」の優秀助演女優賞を受賞しています。

 このように小池さんは俳優としてもずいぶん前から演技巧者として知られる存在でした。ただ映画を中心に出演して演技に磨きをかけていたため、テレビドラマファンに「俳優・小池栄子」の実力が周知されていくのは、もうしばらく後になるのです。

 2010年代中頃には朝ドラ『マッサン』(2014年)、2020年代に入ると大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年)といったNHKの国民的ドラマ枠への出演で存在感を発揮。

 そして2023年、『コタツがない家』(日本テレビ系)でとうとうGP(ゴールデン・プライム)帯の連続ドラマに初主演するのですが、このとき小池さんは42歳。

 20代でGP帯ドラマに主演する俳優が多いことや、まだGP帯初主演から3年ほどしか経っていないことを考えると、「俳優・小池栄子」は遅咲きと言わざるを得ないでしょう。

◆好きな人にはとことん刺さる最新主演ドラマ

 小池さんのGP帯・連ドラの主演作は『コタツがない家』、『新宿野戦病院』(2024年/フジテレビ系)、『ムショラン三ツ星』(2026年/NHK)、『さよならノワール』の4作品。

 いずれも視聴者からは好評で固定ファンをしっかり掴んでいた良作でしたが、視聴率や配信再生数がそこまで高くなく、大ヒットと呼べるような作品はいまだない状態です。

 放映中の『さよならノワール』は、警察署の「犯罪被害者支援室」を舞台に、犯罪被害者や遺族らに寄り添い、支援していく警察ヒューマンドラマ。一般的な刑事ドラマのような派手さがないのは否めません。

 ただ、「俳優・小池栄子」が数々の映画で培ってきた“静の演技”を堪能できる物語となっており、登場人物たちの機微を丁寧に描いた良作のため、好きな人にはとことん刺さるストーリーなのです。

 物語も後半に突入し、クライマックスが近づいてくる『さよならノワール』。一人でも多くのドラマファンに届き、そして“刺さる”ことを期待しています。

<文/堺屋大地>

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は @SakaiyaDaichi