今田美桜主演で話題の『クロスロード 〜救命救急の約束〜』(テレビ朝日系)番組公式サイトより
 今田美桜さんが“朝ドラ後初”の連続ドラマ主演で話題を集めている、2026年7月期ドラマ『クロスロード 〜救命救急の約束〜』(テレビ朝日系、毎週火曜、夜9時〜)。

 本作は救命救急の現場を舞台に救命医、救急隊員、警察官という異なる職業のプロたちが交差する医療ドラマで、今田さんは主人公の医師を演じています。

 そんな今田さんの主演作として記憶に新しいのは、2025年度前期の朝ドラ(連続テレビ小説)として人気を博した『あんぱん』(NHK)でしょう。彼女が演じた気立ての良いヒロインが、日本の朝に活気と彩りを与えてくれていました。

 今田さんが朝ドラという国民的ドラマ枠で主演後に選んだのが、医療ドラマの医師役だったわけですが、実はこのパターン、近年かなり多いのです。

◆橋本環奈は“朝ドラ後”に、なんと2作連続で医師役

『あんぱん』の今田さんに朝ドラヒロインリレーのバトンを渡したのは橋本環奈さん。2024年度後期の朝ドラは橋本さんがヒロインを好演した『おむすび』(NHK)でした。

 そして橋本さんが『おむすび』放送終了翌月からいきなり主演したのが、『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日系、2025年)。白衣を身にまとう天才医師役です。

 しかも橋本さんの場合、この次の主演作が2026年1月期に放送された『ヤンドク!』(フジテレビ系)だったのですが、なんと演じたのがヤンキーから医師になったという主人公。朝ドラ後は2作連続でお医者さん役だったというわけです。

◆松本潤、吉沢亮も、“大河後”は医師役ドラマ

 さらにこの流れは朝ドラに限った話ではなく、NHKが誇るもうひとつの国民的ドラマ枠である大河ドラマでも見られます。

 2023年の大河ドラマ『どうする家康』(NHK)に主演した松本潤さんが、“大河後初”の連続ドラマに選んだのは昨年放送された日曜劇場『19番目のカルテ』(TBS系)で、演じた主人公は医師。

 2021年の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)に主演した吉沢亮さんの、“大河後初”の連ドラ主演は翌年に放送された月9『PICU 小児集中治療室』でしたが、やはり医師役だったのです。

 この5年間に朝ドラと大河ドラマで主演した4人の俳優が、次の主演作に選んだのが医療ドラマの医師役だったというのは、決して偶然ではないでしょう。

◆国民的俳優へのステップに、医師役はちょうどいい?

 NHKの朝ドラと大河ドラマには“国民的ドラマ枠”というイメージがあり、その伝統ある看板枠で主演することは国民的俳優の座に大きく近づくことを意味します。

 もっと忌憚(きたん)なく言うなら、NHKの大作ドラマで主演することは役者として“ハク”になるのは間違いなく、ドラマ業界・映画業界においての俳優としてのランクが1段階か2段階上がることになるのです。

 出演作決定までは本人の意向と所属事務所の思惑の両方が働くでしょうが、いずれにしてもその俳優のブランディングという意味で考えると、“朝ドラ後”“大河後”の民放ドラマの作品選びは、非常に重要になることは想像に難くありません。

 そんなNHKの大作主演後の“ハク”に見合うのが、医療ドラマというジャンル、医師役という主人公なのではないでしょうか。

 医療ドラマは人の生死に向き合うシリアスなストーリーで、医者という職業は社会的に地位が高い肩書きのため、役者としてのランクが上がり本格的に国民的俳優を目指すフェーズで演じるのにちょうどいいのでしょう。

 また、朝ドラや大河ドラマは中高年層の視聴者が多いですが、医療ものを好む中高年のドラマウォッチャーは多いため、NHK主演でついたファンをがっつり囲い込もうという算段もあったのかもしれません。