厳しい夏の暑さが年々早まるなか、実は「かき氷の聖地」として全国のゴーラー(かき氷ファン)から絶大な熱視線を浴びている場所があります。それが、氷の神様を祀る「氷室神社」が鎮座する古都・奈良です。

そんな奈良の街で、暑さを我慢するのではなく、心地よい知恵へと変える“新・涼イベント”が始まりました。

今回は、1716年創業の奈良の老舗・中川政七商店が手がける複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」記念の夏企画「涼づくし、奈良の新・避暑地」の現地へ。五感で涼を堪能できる、最旬の奈良旅レポートをお届けします。

自分だけのガイドブックも作れる!奈良のランドマーク「鹿猿狐ビルヂング」

近鉄奈良駅から徒歩約7分。「しかさるきつね」とそのまんま読む、ならまちのランドマーク「鹿猿狐ビルヂング」。5周年を迎えた館内は、地元をよく知るスタッフおすすめの案内カードがずらりと並ぶ観光案内所としても機能中。

気になるカードをピックアップして専用バインダー(MAP付き)に挟めば、自分専用のガイドブックが無料で作成できるという、抜群のセンスに心が躍ります。

敷地の半分には築130年の日本家屋が佇み、麻織物の問屋として300年近く商いを続けてきた中川政七商店の歴史を紐解く「時蔵」や、手績み手織り麻のものづくりを体験できる「布蔵」など、奈良の歴史・文化に触れる体験型コンテンツも満載です。この夏は、氷食文化発祥の地・奈良の歴史にちなみ、館内全体がひんやりとした“新・避暑地”へと姿を変えています。

「茶論」の4時間煮詰めた特製シロップと、濃厚濃茶の「白いかき氷」

まずは、茶道の魅力を発信する喫茶「茶論(さろん)」へ。ここで出逢えるのは、どこまでも美しく洗練された「白いかき氷」です。

シロップに使用されているのは、奈良の名店「樫舎(かしや)」が銅鍋で4時間かけてじっくり煮詰めたこだわりの練乳。焦がさないように常にかき混ぜて濃度を高めたシロップは、純白ではなく、うっすらと優しいクリーム色をしています。

使用している氷は、純度が高く硬めにかいた日乃出製氷の「大和氷室」。ふわふわすぎると濃厚なシロップに負けて溶けてしまうため、絶妙な「シャリシャリ感」を残した絶妙な削り方で提供されます。

そのままの純粋な美味しさを堪能したあとは、なんと通常の4倍の濃さにした抹茶を合わせる「濃茶トッピング」をプラスするのがおすすめ。お茶の旨みと苦みがシロップの甘みと合わさり、極上の“味変”を楽しめます。

sio・鳥羽周作シェフ監修のすき焼き割烹店「㐂つね」が挑む、最後まで“飽きない”氷のお椀

続いて向かったのは、人気レストラン「sio」が運営し、鳥羽周作シェフが監修を手がけるすき焼き割烹「㐂つね(きつね)」。「すき焼きを化けさせる」というテーマを持つ名店が、今回初めてかき氷の挑戦へと乗り出しました。

自らをすき焼き師とも名乗る折田店長は、「すき焼きもかき氷も、一口目が圧倒的に美味しいけれど、後半になるほど飽きてしまいがち」という共通の課題に着目。だからこそ、甘さ、塩味、香り、食感が食べるごとに変化し、最後まで楽しく美味しく食べられる「お椀」を目指して完成したのが、大和氷室の氷を使った2種の氷椀です。

「みたらしきなこプリン金胡麻の氷椀」は、みたらしソース、きな粉、プリンに、香ばしいピーカンナッツ、キャラメリゼしたバナナ、練乳ミルク、そして自家製求肥を合わせた一皿。ひとくちごとに異なる食感とコクが押し寄せ、スプーンが止まらなくなります。(※具材の一部は日によって変更になる場合があります)

「黒胡麻と酒粕の氷椀」は、濃厚な黒胡麻ペースト、黒豆に、奈良の銘酒「風の森」の酒粕アイス、練乳ミルク、さらには黒オリーブと自家製求肥を合わせた独創的な構成。香ばしく奥行きのある大人な味わいが、お椀の中で見事に調和しています。

12mの流しそうめんも!五感で奈良の涼をめぐる旅

鹿猿狐ビルヂングの「涼づくし」は、かき氷だけにとどまりません。

館内には12m級の巨大流しそうめんスライダーが出現し、そうめん発祥の地・奈良で異なる麺の違いを比べる「推しそうめん総選挙」を開催(土曜日を中心に開催、参加無料)。さらに、猿田彦珈琲では、豊かな香りのカフェラテに濃厚な一番人気ピスタチオジェラートを浮かべた贅沢なフロートも楽しめます。

目で、手で、舌で、そよぐ風や氷の音に涼を感じる。ただ暑さを我慢するのではない、古都の歴史と現代の知恵から生まれた極上の涼に触れに。この夏はカメラを片手に、とっておきの避暑体験が待つ奈良へお出かけしてみませんか?

About Shop
鹿猿狐ビルヂング
奈良県奈良市元林院町22番
営業時間:
中川政七商店 奈良本店:10:00~19:00
茶論:10:00~LO18:30
㐂つね:11:00~LO14:00、17:00~(コースLO19:00、単品LO20:00)
猿田彦珈琲:9:00~LO18:30
定休日:なし(㐂つねのみ 水曜定休)
Instagram:@shikasarukitsune

あかざしょうこ

ウフ。編集スタッフ

関西方面のスイーツ担当。1984年生まれ、大阪育ちのコピーライター。二児の母。焼き菓子全般が好き。特に粉糖を使ったお菓子が好きです。