そのためドラマ製作側としては第1話放送開始前にそのドラマを知ってもらうこと、興味を持ってもらうことが重要になってきます。そして高い人気と知名度を誇るSTARTO社アイドルたちが主演すると、ネットニュースといった他メディアもこぞって取り上げてくれるため、その導線が作りやすいのです。

 STARTO社アイドルにはがっつりと固定ファンが付いており、彼らを主演に抜擢することで、ある程度の視聴者数を獲得できることも“計算”できます。“良作を作ってもコケてしまうケース”を回避するために、彼らのファンが“推す力”はドラマにとって保険になるということです。

◆STARTO社が重用されるワケとは?

 ただ、これは性加害問題以前から変わらぬ理由。

 性加害問題の影響をどうして乗り越えられたかと考えた場合、STARTO社アイドルを出演させようとしても、ドラマのスポンサーからクレームなどがほとんどなかったからだろうということが推察できます。

 言わずもがな民放のテレビ局は主にCMによる広告収入で番組製作をしているため、スポンサーが悪印象を抱くタレントを起用することは難しい構造になっています。そのため性加害問題からしばらくは様子見をする時期が続いていたわけですが、STARTO社に移籍したことで“ジャニーズ色”が薄まり、STARTO社アイドルを出演させることにスポンサーが難色を示さなくなったという事情も大きいのでしょう。

 またジャニーズ事務所時代は、テレビ局側が競合・類似する他事務所の男性アイドルと共演させないように忖度するといったことが行われていました。ジャニーズ事務所側も所属アイドルのブランディングのために、ドラマの設定や物語にいろいろと注文を付けていたという話もありました。

 しかし、STARTO社になってからはそういった過度な忖度が必要なくなり注文も少なくなったことで、STARTO社アイドルを以前よりも一層キャスティングしやすいといった事情もあるのかもしれません。

 ――いずれにしても、旧ジャニーズの流れを汲んだSTARTO社のアイドルたちが、日本のドラマ業界になくてはならない存在であることは、今クールの“主演作5本”という事実が物語っているのではないでしょうか。

<文/堺屋大地>

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は @SakaiyaDaichi