アンヌ遙香さん
 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(40歳・以前は小林悠として活動)。

 20年間生活した東京をあとにして、故郷北海道で自然や犬との気ままなシンプルライフを楽しむアンヌさん。本連載では、40代の今だから感じる日々のあれこれを綴ります。
 第87回となる今回は、アンヌさんが恋愛のありかたの変化について綴ります(以下、アンヌさんの寄稿です)。

◆酒場ロケで出会った一組の男女

 恋愛は、今や“ぜいたく品”になったのでしょうか。

 先日、北海道HBCで、札幌市内の飲食店を回り、初対面の方々と相席をしてお酒を飲みながらお話を伺う「酒メンタリー」という番組のロケをして参りました。

 そこで出会った一組の男女が忘れられません。

 私は当初そのお二人を見てなかなかお似合いのカップルだと思っていました。

 20代後半から30代前半くらいでしょうか。表現は古いかもですがいわゆる美男美女。会話も自然で楽しそう。平日の夜、もつ鍋を囲んで食事をしている姿は、恋人同士か、もしかしたら新婚さんか。

 ところがお話を聞くと、お友達同士とのこと。さらに私が驚いたのは、そのお二人、マッチングアプリで出会ったというではないですか!

 しかも、この日の食事は3回目。

 昭和生まれの私からすると、「3回目のデート」なんてもう大変ですよ!! 私たちの世代には、なんとなーく3回目くらいで告白をする、あるいは関係が大きく進展するという、不文律、ありません?!

 だから私は内心、「こんな大事な日にテレビクルーが同席してしまって大丈夫?!」とヒヤヒヤしていたわけですが。

 二人がどうなったのか、それはぜひ番組YouTubeをごらんあれ !

◆若者は同コミュニティでの恋愛を避ける?

 ……なんて言いつつ今回の取材で痛感したのは、現在は私が青春時代を謳歌した20年前とはまったく違う恋愛のありかたが展開されているという現実。かつては学校や職場、友人グループなど、自分が所属するコミュニティの中で恋愛が生まれることは珍しくありませんでした。

 ところが今は、そのコミュニティの中で恋愛をすること自体をリスクと考える人も少なくないよう。

 告白してフラれたら。

 別れた後に気まずくなったら。

 周囲に知られたら。

 そう考えると、一歩を踏み出しにくくなるのもわからないでもないですが、実際、若い世代の方からは「同じ職場や大学では絶対恋愛したくない」「友人グループの中では面倒になるから避けたい」という話もよく聞きます。

 だからこそ、マッチングアプリという、コミュニティの外側で出会う方法が確実なのですよね。自分の人間関係に波風を立てたくない、いわば「公私混同」はしないというプロ意識の高さのようにも感じます。

◆恋愛はコストのかかる“ぜいたく品”に?

 さらに今回私は、もうひとつ驚いたことがありました。

 正直に言えば、私が出会ったお二人はとてもとても魅力的。わかりやすくいえば「モテそう」。私の勝手な先入観では、「これだけ素敵なら自然な出会いがたくさんあるのでは」なんて不躾にも思ってしまったのです。

 けれども、そういうことではないのですよね。魅力的な人であっても、自ら出会いを探しに行かなければならない時代なのです。恋愛を始めること自体に、時間も労力もかけなくてはならない。

 そう考えると、最近耳にする「子どもは最早ぜいたく品」という言葉だけではなく、もしかすると恋愛そのものですらぜいたく品になりつつあるのではないかなんて思えてきたり。

 この話をアメリカ人男性と国際結婚している知り合いに何の気なしにつぶやいたところ、