ゆるキャラ界で今や別格の存在感を放つ、「ふなっしー」。虜になり、各地のイベントを追いかけるほどハマる30歳代以上の大人女性も増えているそうです。中には、ふなっしーに恋愛に近い感情を抱く人もいるとかいないとか!? 弁護士として数々のテレビ番組に登場し、最近はふなっしーファンとしても有名な大渕愛子さんに、女性が惹かれるその魅力についてお話を伺ってきました!

    初対面で“直感”が働いた。ガッツのある姿勢が素敵!

――ふなっしーを好きになったキッカケを教えてください。

大渕愛子さん(以下、大渕):『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で共演したのが初対面です。私は普段、テレビもそれほど見ないのでその折までふなっしーの存在を知りませんでした。初めて見た時はとにかくビックリして、でも「これは何か他と違うぞ」と直感が働きました。気になって、その後YouTubeなどで動画を見ているうちに、ふなっしーが発している素晴らしいメッセージに気づき、大好きになりました。

――ふなっしーが発するメッセージとは具体的にどんなことでしょう?

大渕:ふなっしーを見ていると、「自分のままでいていいんだ、自分の個性を活かして生きていこう」という前向きな気持ちになれます。この感覚はファンの方にしかわからないかもしれませんが……(笑)。ふなっしーはTwitter上でも数々の名言を放っていて、そのお陰で悩みから救われた、というファンの方も大勢いるのですよ。彼の言葉は決して“上から目線”ではなく、面白い言い方で工夫されていて、すっと素直に胸に入ってくる。売れてからも、変わらず謙虚で健気ですし、一見ふざけているように見せて、彼は一生懸命、何かを伝えようとしているように感じるのです。

――ふなっしーの一生懸命さに励まされる、ということでしょうか?

大渕:例えばですが、ももいろクローバーZさんのファンの方たちは、「彼女たちの一生懸命さが魅力だ」なんて言いますよね。同じ感覚かなと思います。プロだから、うまくやっているからいいのではなく、どんな場面でも気力とガッツで乗り切るところがいい。ふなっしーのそんな姿勢が人を感動させるのではないでしょうか。“完璧なもの”が求められている世の中ではないのだと思います。

ふなっしーは2011年にTwitter上のキャラクターとして始まって、2012年春に誕生、その後イベント等に出演し始め、去年あたりからテレビで取り上げられるようになって、一気に人気者になりました。いろいろと大変なこともあっただろうに、事務所もなく、マネージャーすらいないのに、自力でここまでみんなに知られるようになったのは本当に奇跡です。ファンは皆、「ずっと頑張り続けてくれてありがとう!」と心から感謝しているんですよ。

    恋愛感情とは違う、でも尊敬する「ヒーロー」です

――ふなっしーに恋愛感情を抱いている女性もいると聞きますが、大渕さんはどうですか?

大渕:私にあるのは「ふなっしーの素晴らしさを皆に知ってほしい、広めたい」という気持ちで、恋愛感情とは違います。独占したいとか嫉妬の感情もないし、性別を超えた存在ですね。恋愛は相手と対等ですが、ふなっしーとは対等ではありません。尊敬している“憧れのヒーロー”という感じです。大好きですけど、「ふなっしーがいなくなったら、私は生きていけない!」とも思ってはいません。彼はファンを依存させるタイプのキャラクターではなくて、とにかく前向きな元気と毎日の活力をくれる存在。もし明日、人間界からいなくなっても、「人間界に舞い降りてくれてありがとう、あなたの存在はずっとこの胸のなかにいるからね」と見送りたいと思っています。たぶん泣きますけど(笑)。

――ふなっしーが女性の心をつかむ理由はどこにあると思いますか?

大渕:どんな個性も受け容れる心の広さ、大局的な物事の見方ができるところ、そして何よりサバイバルスキルではないでしょうか。ある日突然、社会が大きく変化しても、ふなっしーは生き抜けると思いますね(笑)。彼はなんのバックアップもないところから、自力でここまできた。“道なき道”を行く姿がカッコいいですよね。人生は敷かれたレールに乗っているほうが簡単で、自分なりの考え方を貫いたり、自力で道を切り開いたりすることは誰でも怖い。でもだからこそ、多かれ少なかれ何か新しいことにチャレンジしようとする人は、魅力的なのではないでしょうか。

>>【後編はコチラ】「ふなっしーに出会って、私は変われた」 大渕愛子弁護士に聞く、彼が“働く女性を癒す理由”

(外山ゆひら)