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そのような空間とそこに流れる静かな時間、心地よいもてなしの心をこよなく愛した魯山人は、若き日から晩年まで、ここに集まった風流を好む文人たち、温泉街の若旦那衆と交流を深めながら書や器などを残したという。白銀屋に滞在中、彼が彫った宿の刻字看板や自作の器などは、館内のギャラリーに展示されていて、いつでも眺めることができる。


館内にある魯山人ギャラリー

実は、食通としても知られる魯山人は、この地で北陸の豊かな食文化に触れ、食に目覚めたと言われている。「料理に無駄な手数をかけるのは愚」と語った彼の料理哲学を受け継ぎ、ここでは、加賀の自然が育んだ海の幸や米、伝統の加賀野菜、白山の伏流水が造る日本酒、雪深い土地ならではの保存食や珍味など、豊かな食材の真価を引き出した加賀料理が堪能できる。九谷焼の器でいただく夕食は、白銀屋の食事処「銀庵」で楽しむことができる。特に楽しみなのは、高級魚・のど黒(赤むつ)を、土と茶で包んでほっくりと焼いた茶陶焼きや、能登牛の七輪焼きなど白銀屋オリジナルの料理。もちろん、今がまさに旬である北陸の味、水揚げされたばかりの新鮮な蟹を、刺身や源泉蒸しなど様々な調理法でいただけて、食感と味の違いを楽しめるのも旬ならでは。追加してでも食したい。


左:のど黒茶陶焼き 右:蟹の源泉蒸

女性旅のエッセンスを詰め込んだ加賀珠姫プラン

そんな白銀屋に脈打つ日本文化を存分に楽しむなら、おすすめしたいのが加賀珠姫プラン。1泊2食に加えて、併設されたONSEN スパ「一止」での良質な植物性オイルを使ったショートメニュー(レッグス、バック&ショルダー、デコルテ・ショルダー&ヘッドの3つから選択可能の30分コース)、有形文化財のお茶室「思惟庵」でのプチ茶道レッスン(予約不要。外来なら1500円で受講可能/菓子、抹茶付き/15時〜18時)がついている。さらに、夕食の前菜には白味噌や能登の魚醤・いしるが入ったソースでいただく、甘く瑞々しい加賀野菜の和風バーニャカウダがプラスに。朝食処「紅有也」でいただく好評の朝食には、加賀野菜のスムージーが追加される。プラン指定のお部屋は加賀モダンタイプ。ゆっくりとくつろげるよう、加賀野菜のチップスやお茶が入った「おしゃべりおやつセット」、アメニティとして色浴衣と金箔コスメ、山代温泉を顔にパックできる「とれたて源泉」のセットも用意されている。素晴らしい宿でのより素晴らしい1日を実現させてくれるのは、やはり心遣いなのだと実感できるもてなしに心躍るばかりだ。


左:加賀野菜の和風バーニャカウダ 中:ONSEN スパ「一止」 右:おしゃべりおやつセットとアメニティ

白銀屋への旅は、日本文化の素晴らしさに改めて気づかされる特別な機会とも言えるだろう。しかも、気負いのない、ごく身近な選択として体験できる格好のもの。日本文化そのものと心の底から感じられる温泉宿を、ぜひここで堪能して欲しい。1 2

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