「平澤かまぼこ 王子駅前店」のはんぺん(100円)、さつま揚げ(150円)、カレーボール(150円)など、ネタの多くは100円台

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明治以降、一帯が製紙工場や印刷所などの工業地域として栄え、都電荒川線の開通後は、工員たちの住宅街としてにぎわいを見せた王子。駅周辺には、往年の面影を残す大衆酒場が今なお健在だ。

【写真を見る】おでんを取り分ける、名物女将の平澤さん。長年、街の変遷を見守ってきた(「平澤かまぼこ 王子駅前店」)

■ 「平澤かまぼこ 王子駅前店」

王子駅北口を出ると、すぐにふんわりしたダシの匂いが漂い、昼からお客でいっぱいなのが「平澤かまぼこ 王子駅前店」。赤羽に製造所を構える創業50年以上の老舗かまぼこ店が、王子駅前で直営するおでんの立ち飲み店だ。自社製の練り製品とすっきりしたダシは相性抜群で、北区の地酒「丸眞正宗」(350円)がよく進む。「食べることは生きること」と語る女将との心地よい会話も、尽きることがない。

■ 「宝泉」

「これぞ大衆酒場」という店構えと品ぞろえで、通いつめたくなるのが「宝泉」だ。手作りメインのおつまみ類が、ほぼ全品290〜430円で注文できるなど、コスパは抜群。各種焼酎のほか、店のおすすめは生ホッピー(520円)。しっかり濃いめに作ってあり、飲んべえにも満足度が高い。

胃袋にうれしく、サイフに優しい粋な店がいっぱい。戦前・戦後から受け継がれる王子の酒飲み文化を、カウンターで気ままに味わいたい。【東京ウォーカー】