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19世紀欧米画壇で活躍したジャポニズムの巨匠 ホイッスラーの、国内では27年ぶりとなる大回顧展が横浜美術館で開催中だ。

ホイッスラーは、ロンドンとパリを主な拠点として活躍し、クロード・モネなど印象派の画家たちとも親交があった。また、構図や画面空間、色彩の調和などに関して、日本美術からインスピレーションを得て独自のスタイルを確立したジャポニスムの画家として世界的に知られている。作品に書き込まれたイニシャル「JW」のサインは、日本の家紋をイメージした蝶をモチーフにしたもの。今回の展示作品の中にも多数、このサインが見つけられるはずだ。

ホイッスラーの魅力は、彼の創作した作品だけでなく、そのユニークな人となりからも感じ取ることができる。黒のフロックコートに身をつつみ、一房の白い前髪を上向きに整えた洒落た風貌のホイッスラーは、当時流行していた「ダンディ」と呼ばれる伊達男の代表的存在として注目を集めていい、そんなホイッスラーらしい数々の逸話も残されているのだ。

左:《青と銀色のノクターン》 1872-78年 イェール英国芸術センターYale Center for British Art, Paul Mellon Fund  右:《紫とバラ色:6つのマークのランゲ・ライゼン》 1864年 フィラデルフィア美術館cPhiladelphia Museum of Art

本展は、アメリカ、イギリス、フランスの20か所以上の美術館など所蔵機関から、油彩・水彩・版画作品約130点が集結し、ホイッスラーの全貌を紹介。《白のシンフォニー No.2:小さなホワイト・ガール》、《ノクターン:青と金色─オールド・バターシー・ブリッジ》をはじめとする油彩の代表作や、版画家としても卓越した技術をもっていたホイッスラーのエッチングなどを展示。また、東洋の陶磁器など生前の所持品や、影響を受けた浮世絵など、ホイッスラーのインスピレーションの源となった日本美術も展示される。

<ホイッスラー展>
会期:2014年12月6日(土) ─ 2015年3月1日(日)
会場:横浜美術館(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1)
http://www.jm-whistler.jp/