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今回は、「古参の執着」をご紹介します。

古参の執着 30話

カオルコさんは、あの事件以降漫画も描けなくなってしまいました。
漫画を描こうとするとヤバ男のことが頭によぎり、具合が悪くなってしまうのです。
ペンを握るたびにフラッシュバックに襲われたカオルコさんは、いつしか漫画家になりたいという夢自体を完全に諦めてしまいました。
それどころか、外との関わりを断つため、スマートフォンも解約してしまい、今日が何日なのかもわからないような廃人の状態で、数年が過ぎました。

カオルコさんはあんなにお世話になったサナさんにもずっと連絡できずにいました。
もう自分の人生に何の希望も期待も持てなくなっていました。
そんなある日、母親が「あのストーカー別件で逮捕されたよ」「だからもう、隠れなくても大丈夫だよ」と……。
新聞に目をやると、そこにはヤバ男の名前がありました。
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(おばけてゃ)