【思考をキレイにする旅の仕方(297)】同じ場所に何度も行く理由

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シンガポールの話になりました。
「何回も行っているから、もういいでしょ?」
「私も行きたいなぁ」とつぶやくと、そう返ってきました。
「よくないです!」とはっきり申し上げます。

同じ場所に何回行っても同じではありません。
最後にシンガポールに伺った5年前と今とでは違います。
コロナ禍で街は少なからず変わっているでしょう。
たとえ変化していなくても、自分は変わっています。
良くも悪くも。

シンガポールに限ったことではありません。
近所の散歩だって同じ。
山が見えれば、山の様子を見ながら深呼吸をして、
川の近くを歩けば川の流れに見入り、
空を見上げれば雲の形から様々な物を想像するなど自分の周囲を見渡せば、刻々と変化しているのです。

私の場合、昨年から農業に携わり始めたので、周囲の稲や野菜、花の状況に目が向くようになり、
数年前、同じ道を歩いていた頃と明らかに変わりました。
今後、鳥の知識が増えれば、鳥にも目が行くだろうし、雑草に詳しくなれば雑草に……
そう考えると無限です。
歩く時間帯が変わるだけでも見え方は違うし、逆に「同じ」といった安心感を憶えることもあり、
日々の自分の体調や精神状態によって感じ方は変わります。
だから同じ場所でも楽しめるんですよね。<text:イシコ http://sekaisanpo.jp/>