ベビー用品のお古が元でトラブルになることも

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 少子化による出生率の低下によって、兄弟などの身内からお古を貰う機会が減った昨今。先に出産をしているママ友からベビーカーや肌着と言ったお下がりを譲ってもらい、それが“お古トラブル”になることも。

 よくあるトラブルは、ベビーベッドやベビーバスなどの置き場所に困る大物ベビー用品を、友人夫婦などにレンタルしたケース。第二子出産などで必要となった時に返してもらえなかったり、破損して戻されたり。貸す側が泣き寝入りの場合も多い。

 そんな“お古トラブル”の経験者・二歳児の育児中の恵美さん(仮名・35歳)に聞いてみた。

「先に出産をしている友人が、やたらとお古を譲りたがって。SNSにアップしている画像を見たら、3着くらいをずっと着まわしていて。うちは一人娘だし、ブランド物も着せていたのでお古は欲しくはなかったのですが、年賀状にまで『お古取りに来て』と書かれて断れず。うちの子の足のサイズは11cmと小さかったのに、『あまり履いていないからお得』と14cmのファーストシューズを渡されて。箱を開けて見たら薄汚れた靴が入っていました。結局、二歳になった今も、サイズが合わず履いていません。譲って貰った服の中にブランド物があったのですが、洗濯表示を見たら別の子の名前が書いてあり“お下がりのお下がり”だと気付きました。正直、いらない物をむりやり渡されて、嫌な気分になりました」

 第二子の出産を希望していない場合、処分に困るのが肌着などの衣類。お古を譲られてお返しを請求されたり、「譲ってあげた」という上から目線の態度を取られるケースも後を絶たない。

「友人は、ベビーカーを譲ってくれた相手からシートカバーの張替代を請求されたそうです。安いベビーカーだったら、張替代で購入できたので騙された気分と言っていました」

 一歳半の女児のママである薫さん(28歳・仮名)にも話を聞いた。

「SNSで娘の画像をアップしていたら、それを見ていたママ友さんからサイズアウトをした服をくださいとメールが来たことがあります。二人目は考えていなかったですが、譲るならもっと親しい友人に渡したいと渋っていたら、『どうせもう着ないならくれればいいのに、ケチ』と言われました」

ママ友同士の手作りイベントでのトラブルも

 子供が多いママ友に多い、“くれくれ”トラブル。予定外の妊娠により、譲ったはずのお古を“返してくれ”と言う迷惑なケースも。最近、多いのが“手作りマルシェ” や“MOTTAINAIてづくり市”と呼ばれる、ママ友同士で出店するイベントでの不用品や手作り品の出品トラブル。恵美さん曰く、

「保育園仲間と出店した際に、手作りのスタイやコップ袋などを販売しました。見に来てくれたママ友が『高い。これ手作りでしょ。材料費だって掛かっていないのに、ぼってるね』と目の前で言われて。どうやら、タダ同然でお古や手作りの物が貰えると思っていたみたいです」

 薫さんも「妊娠中の友人に貸した“トコちゃんベルト”(骨盤を安定させるベルト)が返してもらえなかったり、ママ友から譲って貰ったブランド服を、保育園服にしているのがバレて『大事に着ていたのに』と文句を言われたりと“お古トラブル”は意外と起こりやすい」と言う。

 かつては“もったいない精神”から、お古を譲り受けて着るのが当たり前だったが、現代では“お古”はママ友界での順位付けのための道具として押し付けられたり、“くれくれ”体質のママ友が欲しがったりと、トラブルの原因となっている。

 やはりタダの物には近づかないのが一番と言えるのかもしれない。

(取材・文/如月小百合)