01 Morning

オーストラリアといえば、移民が多いことで有名だ。様々な文化が混ざり合うことで、豊かな個性が生まれているが、その恩恵は、シドニーっ子たちのライフスタイルにも現われている。街中には、シドニーに住む移民たちが独自の文化を反映させたインテリアショップやアートショップが立ち並ぶ。多様性を享受することに長けたシドニーっ子たちは、恵まれた環境の中で、独自の個性、価値観を育みながら、感性を磨いていくのだろう。

そんなシドニーを訪れたら、ぜひ、彼らのアーティスティックなライフスタイルに触れてみて欲しい。シンプルな中にも、確立されたスタイル、確かなこだわりが感じられるはず。まずは、こんな所から、シドニー流ライフスタイルの一端に触れてみて。

訪れるたびにインスピレーションを与えてくれるお店

  • アンティークで溢れる店内に一歩足を踏み入れると、つい時間を忘れて、宝探しに夢中になってしまう。

センスの良いショップ、美味しいレストランなどが、立て続けにオープンし、おしゃれな人々が集っていることでも話題のサリーヒルズ。

このエリアにあるici et la(フランス語で"こことそこ"の意)は、ライフスタイルグッズを扱うお店。フレンチブルドッグのマルセルが迎えてくれるこのショップには、オーナーのアンドリューが年に2回、フランスとベルギーで買い付けてくるファッションアイテム、輸入ファブリック、アンティークグッズ、はぎれ、アンティーク家具など、ここでしか出会えないものが所狭しと並ぶ。一歩足を踏み入れれば、宝探しをしているようなワクワク気分に包まれ、つい時間を忘れてしまいそうだ。

特に、フランス産厚手コットンのストライプ・ファブリックは多数揃っていて、好きなストライプを選んでデッキチェアやスツール、クッションなどをオーダーすることも可能。市内のレストランやバーなどからの注文、インテリアコーディネーターからの依頼も多いという、プロも認めるショップだ。同じフランス産のファブリックで作られたエスパドリーユも輸入販売しているので、インテリアのオーダーは無理でも、これならお土産にできそうだ。

アンティーク家具を扱うスペースでは、店をそのままレストランに見立て、シドニーの最高峰レストラン、ロックプールで長年ヘッドシェフを務めていたMichel McEnearneyの手によるコース料理を、ワインつきでいただける企画も進行中(一人 A$150)。毎週第二日曜日に開催しているので、タイミングが合えば、ぜひ予約を。

INFO:
ici et la イ・シ・エラ 
7 Nickson Street, Surry Hills, Sydney 2010
Tel: +61 2 8399 1173

プライベート・ルームに招かれたような可愛いお店

  • フォトグラファーのサフリーヌ

シドニー市街からバスで30分ほどのところにある、海辺の小さな町、クローベリー。ここにユニークなコンセプトのショップがある。フォトグラファーのサフリーヌと、フローリストのソフィーが共同経営するDusty Millerは、自分たちが好きなものだけを集めたという、二人のプライベート・ルームのような可愛いお店。結婚式の仕事で知り合ったという二人は、別々にアトリエとスタジオを持っていたが、意気投合したことで、共にDusty Millerをオープン。

店の中央には、ソフィーが買い付けてきた美しい花が咲き誇り、壁面にはサフリーヌがライフワークとしているランドスケープの写真(購入可)を飾ったギャラリーウォールが設けられている。その他のアイテムは、オーガニック、ハンドメイド、オーストラリアメイドなどをキーワードに、独自の審美眼で選び抜かれたものばかり。地元のアーティストも、積極的にサポートしている。すべてに共通するのは、クオリティの高さと温か味、そして程よくモダンなテイスト。

実際に使ってよかったもの、海外旅行で一目惚れしたもの、オークションで落札してきたものなど、さまざまなシーンで二人が出会った大切な存在を、惜しみなく紹介してくれている。

クローベリーまでは、サーファーの聖地としても有名なビーチがあるボンダイ、もしくはブロンテからも歩いて行けるので、海へ遊びに行くついでに、ちょっと立ち寄ってみる価値ありだ。

INFO:
Dusty Miller ダスティ・ミラー 
33 Burnie Street, Clovelly NSW 2031
Tel: +61 2 9665 6623

オーストラリア/アーティストの現場
ブラアン・ハーストの工房を訪れて

  • 現代オーストラリアを代表するガラスアーティストとして知られる、ブライアン・ハーストさん

オーストラリアといえば、アボリジニ・アート。だが、実はそれだけでなく、多くのコンテンポラリーアートの文化も華やかだ。移民が多く、多彩な文化や人々の個性を尊重し理解することが当たり前のように行われるこの国では、アートへの敬意が強いように思われる。

そんなオーストラリアに生まれ、鋭い感性を磨いてきた人物の一人が、ブライアン・ハーストだ。現代オーストラリアを代表するガラスアーティストと知られ、各国で展覧会を行い、主要な美術館に作品が所蔵されている。京都近代美術館も1981年にブライアンの作品を収蔵、また1994年に開催された「第5回世界現代ガラス展」において、北海道立近代美術館賞グランプリを受賞しており、日本でも馴染みあるアーティストだ。

ヴィクトリアのアートスクールを卒業後、すぐにアーティストとして活動して約30年。ガラスを素材として選んだ理由について「ガラス、その歴史すべてに魅せられたんだ」と話す。「ガラスは紀元前2000年ごろには、すでにエジプトやシリアで誕生していて、装飾品や容器が作られていたとされる。その後、ローマで発展したものなんだ」。

その壮大なる歴史に興味を持ったという彼は、宙吹きガラス、型吹きガラスなど古典的な手法に、モダンかつ独自の手法を組み合わせながら、全く新しいガラスの歴史の1ページを創り上げているかのようだ。彼が出会ってきた様々な文化性をも取り込みながら。

  • ブライアンさんが、"2 and half D"と呼ぶ、斬新な作品
    Scarlet Votive Sculpture 2010/61 x 130 x 61cm/2010

例えば、ブライアンの代表作のひとつである3つの足を持ったボウル「Votive Bowl」。「これは、アフリカ、中米、中国の文化から影響を受けている。歴史だけでなく、旅先で出会った文化にもインスパイアされているんだ」。

それは、プリミティブなギリシャあるいはエジプトの古代遺跡のようでいて、現代的な洗練も持ち合わせ、アジア風のようでいて、アフリカ風でもあり、冷たいようでいて、取り出したばかりのガラスのように赤々とし、不安定なようでいて、しっかりと安定もしている。時代の壁も、文化の壁も乗り越えた様々な要素が、アンビギュアスでありながらも、ブライアンの中で見事に調和し、独自の宇宙を作り出しているのだ。

  • かまど内の熔けたガラスの状態をチェック、制作開始の準備に欠かせない作業

新たなる歴史を刻むブライアンだが、アート作品のような鑑賞して楽しめる作品だけでなく、日常を豊かに彩ってくれる花器、ペーパーウエイト、テーブルウェアなどのプロダクツも制作。製品を作る「プロダクション」、依頼を受けて作品を創る「コミッション」、自身の感性を最大限に生かす「アートワーク」と三段階に分けた創作活動を行っている。アート作品はちょっと手が出なくても、プロダクトならお土産にもできるし、www.glassgifts.com.au からネットでの購入も可能。

シドニー市内のレストラン「vini」、バー&ワインショップ「121BC」、エジプトレストラン「Rose Bud」などで、彼の作った美しいデキャンタでワインがサーブされているので、気になる人はチェックしてみて。彼のプロダクツが購入できる「object store」を訪れるのもお忘れなく。

INFO:
Brian Hirst 公式サイト http://www.brianhirst.com/
過去のアートワークから、工房の様子まで見ることができる
サリーヒルズにある「object store」では彼のプロダクトが購入可能
オブジェクトストア object store
 415 Bourbe St. Surrey Hills, NSW 2010
 Tel: +61 2 9361 4555

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