内装や調度のセレクトはイスの蒐集家として著名な永井敬二氏が手がけた

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星野 源を駆け出しのころから知る某映画監督が「売れることはわかっていたけど、ここまでになるとは」と評していたが、ここ「そふ珈琲」も同様。2012年の開業から6年。昼間は近くの女子大生から国内外の観光客、そして夜は常連と一見客が入り混じって憩うサロンのようなにぎわいを見せる。きちんとした材料を使って丁寧に作られたコーヒーやスイーツ、そして心地よい店内やサービスが調和した喫茶を、多くの人が求めていたことに気付かされる。

【写真を見る】ほろにが(500円)とプリン(350円)。スイーツは高級フレンチ「ラ・ロシェル」で菓子を担当していた妻の信乃さんの手作り

マスターの吉田大祐さんは岡山の名店「エスプリ珈琲店」で修業。修業店にならいブレンド名は「ほろにが」「かろやか」「にがみ」「さんみ」とひと目で味わいがわかるようにしている。

特厚のネル生地を使うのも同店の特徴だが「浅煎りの豆は使い始めて間もないネル、深煎りは使い込んだネルと使い分けることで、味のブレが出ないようにしています」と吉田さん。

また、以前は88℃の湯で淹れていたが近年はそれを少し下げた。「ブラックで飲まれるお客様も増えたし、もう少しマイルドな味にしたくて」と小さな課題を見つけては微調整を欠かさない。

客と目線を合わせて会話できるようにカウンター内部を掘り下げたり(吉田さんは長身)、液が前に飛ばないようサーバーを手前に向けて注いだりと、コーヒー以外の心配りも随所に。一度訪れたら、人々を虜にする理由がわかるだろう。

[そふ珈琲]福岡県福岡市城南区別府1-3-11 / 092-407-6474 / 13:00〜22:00 / 水曜休み / 14席 / 禁煙 / コーヒー1杯 500円〜(九州ウォーカー・九州ウォーカー編集部)