富と名誉を手にし、ほしいままに動かす「成功者」たち。
きっと皆、その座を掴むために血のにじむような努力をしているのだろう。

でも、頑張るだけじゃ成功できない。

―運も実力のうち。

成功者たちの多くは、努力と同じぐらい「運」を重視して、自分だけの特別なパワースポットやラッキーアイテムを持っているという。

成功者から学ぶ、幸運の女神に出逢うためのとっておきの秘密とは?

今回は、不幸な人生が一変し、32歳でいわゆる「勝ち組婚」を手に入れたという、結婚における“成功者”を紹介するー。




年収5,000万円の外銀エリートと結婚。セレブ妻、由梨(37歳)の場合


由梨とは、表参道の『CRISTA』で会うことになった。

にこやかに待ち合わせの席に着いた由梨は、FOXEYの紺色の半袖ワンピースに身を包み、手にはエルメスの黒のボリードとファミリアのサブバッグ。

結婚前、有名ファッションブランドでプレスとして働いていたという彼女は、誰もが振り向くほどの美人ではない。

しかし、肌は雪のように白くきめ細やかで、肩あたりまでまっすぐに伸びた黒髪もつややか。丁寧に自分を扱っている、そんな余裕を感じさせる女性だ。

それもそのはず。

彼女の夫は、外資系証券会社の中でも頂点に君臨する投資銀行部門で活躍するエースで、新聞の一面で取り上げられるような大型M&Aを担当するスーパーエリートなのだ。年収は30代半ばにして5,000万円を超える。

現在37歳の由梨は、32歳のときに結婚。その翌年に、第一子となる女児を出産した。

昨秋、そのひとり娘が都内最難関と言われる幼稚園のお受験を見事に突破。この春からは、南青山の自宅から幼稚園までの送迎に忙しい毎日を送っているという。

まさに絵に描いたようなセレブ妻として幸せな生活を謳歌する由梨。女性として誰もが羨む人生を送っていると言っても過言ではないだろう。



順風満帆な人生?

そうですね、今の私を見れば、そう思われる方も多いかもしれませんね。

でも私にも、過去には涙にくれて、先の見えない日々に怯えながら、悶々と過ごしていた時期がありました。

どん底だった私の人生を上昇させてくれたのは、間違いなく主人です。

優しくて知的で、経済力もある主人と出逢い、見初められた私のことを、みんな強運だねって言うんですよ。

それは正しいと思います。

だって主人と結婚したことで、私は愛する家族と、自由で贅沢な暮らしを手に入れることができたのですから。

運命の出逢い?…そうですね。正確に言うと“縁結びの糸がくれた出逢い”かな…

私と主人の出逢いは、"ある神社"の存在なくして語れないのです。


女の人生を暗闇に突き落とした、最愛の彼との衝撃的過ぎる結末


最高に好きだった人と、最低の別れを迎えたのは、29歳の秋のこと。当時、私は自分よりちょうど一回り年上のカメラマンとお付き合いをしていました。

私はファッションブランドでプレスの仕事に就いており、彼とはタイアップ広告の撮影に立ち会った際に知り合いました。それからは、ごく自然な流れで交際に発展したのです。

背がすらりと高く、黒縁のウェリントンが似合う端正な顔立ち。

博識で話題も豊富な彼は、Tシャツにデニムというまったく飾り気のない服装でも、女性の興味を十分に引く魅力がありました。

狭い業界ですので、彼と付き合っていることは、ほとんど誰にも話しませんでした。

有名カメラマンの彼と付き合っていることが知られたら、業界中の女性たちのやっかみの対象になることは目に見えてましたから。

秘密の恋だったこと以外は、私たちはどこにでもいるような、ありふれたカップルだったと思います。

私は穏やかで優しい彼のことを心から愛し、彼もまた、私と過ごす時間が最高に幸せなんだといつも言ってくれて。気が付けば、交際をはじめてあっという間に3年が経過していました。

それなのに―

30歳の誕生日を目前に控えたある日のこと。

学生時代の親友から、衝撃的な画像が添付されたメールが送られてきたのです。それは、彼が日に焼けた美しい女性と仲睦まじく、ソファーで寄り添う写真でした。

そして…注釈には「妻」とあります。

写真を送ってきた親友はインテリアコーディネーターをしており、私とカメラマンの彼との関係を知る数少ない友人の一人でした。

インテリア業界誌を読んでいて、「リゾートリビング」という特集記事で、たまたま彼の名前を発見したというのです。

記事を読んでわかったことは、彼が実は既婚者で、ハワイで飲食店を経営していている奥様とは長く別居しているという事実でした。

ハワイの自宅のおしゃれなリビングが、偶然インテリア業界誌の編集者の目に留まり、夫婦そろって取材を受けたようでしたが…。

きっと彼も、まさか私がインテリア業界誌に目を通すとは思いもしなかったのでしょう。

私はすぐに彼に電話をして問い詰めました。はじめは白を切っていた彼ですが、次第に開きなおったような口調になり、話の途中で一方的に電話を切られてしまいました。

どうしても彼の口から直接真実を聞きたくて、狂ったように彼を探しましたが、自宅からも姿を消し、電話もメールもすぐに繋がらなくなってしまったんです。




後に人づてに聞いたところ、私から逃げるようにハワイに去っていったそうです。もともと「そろそろ活動の拠点をハワイに移そうと考えている」と周りに話していたのだとか。

私との関係も、曖昧にしたまま自然消滅でも狙っていたのでしょうか…

―はじめから遊びのつもりだったの?
―あなたからの愛してるは全部、ウソだったの?

私は心から愛していた彼に対する不完全燃焼な気持ちを抱えたまま、突然闇に放り出されてしまったのです。


人生の暗闇を彷徨う女が見つけた、一筋の光明とは?


彼の裏切りを知ってからの私は、完全に抜け殻でした。

生気を失った私を心配した友人たちが頻繁にお食事会に誘ってくれましたが、目の前に並ぶどんな素敵な男性も、彼と比べるとみんなかすんで見えてしまって…

結局、その彼を忘れられないまま、気が付けばさらに2年もの歳月が経過していました。

そんなある日、懇意にしていた女性誌の編集者から偶然、私の運命を変えることになる興味深い話を聞くことができたんです。

彼女は、その当時流行していたパワースポットの特集記事を担当していました。

私に長い期間彼氏がいないと知ると「それなら最高にご利益がある縁結びの神社があるから行ってみてよ!」と言って、とある神社のことを、“参拝の5つの掟”と共に教えてくれたのです。




彼女に紹介されたのは、六本木にある【出雲大社東京分祠】でした。

言わずと知れた、最強の縁結び神社である島根の出雲大社の分祠ですが、六本木のど真ん中にこんな神聖な場所があるとはそれまで私も知りませんでした。

彼女曰く、その神社に参拝し、“縁結びの糸”なるものを購入して肌身離さず身に着けることで、良縁に恵まれるというのです。

さらに良縁を祈願する参拝にあたっては、以下の5つの掟を守るのが作法だと教えられました。

其の一:一人で行くこと
其の二:早起きをして行くこと
其の三:自宅と神社の往復は、直行直帰
其の四:フルメイクでおしゃれをして行くこと
其の五:自宅から神社に向かうまでの道中、誰かに声を掛けられたら、その日の参拝は取りやめること。

私は5つの掟を頭に叩き込み、次の土曜日、藁をもすがる思いで【出雲大社東京分祠】を目指したのでした。



参拝当日は、その当時一番のお気に入りだったカーキ色のAラインのノースリーブワンピースに、ジミーチューのベージュのサンダルを合わせて出掛けることにしました。

ロングだった髪をきれいに巻き、メイクもいつも以上に丁寧に施しました。

早起きして8時前には出発したというのに、すでに太陽がじりじりと照りつける暑い日でした。

誰にも声をかけられないよう、前だけを見て速足で六本木を目指します。

幸い、誰からも声をかけられることはなく、無事に目的地に到着しました。

六本木通りの喧騒を離れ、1本中に入ったところに、【出雲大社東京分祠】はひっそりと存在しています。それは想像していた古めかしい神社の姿とはまったく異なる、近代的な鉄筋コンクリートの建物でした。

拍子抜けした気持ちで階段を使い、建物の2階に上がると、そこは確かに静謐な神社の空間で、私と同じような女性がすでに2名、真剣な表情でお参りしていました。

私も胸の前で手を合わせ、目を閉じます。

六本木とは思えない静寂が、まるで幸せを拒むかのように固くなっていた心を解し、素直に良縁を望む気持ちを神様に告白させてくれました。

すっかり清々しい気持ちで満たされた私は、 興奮冷めやらぬうちに‟縁結びの糸”を購入。




それは、赤と白の絹糸が数十本ずつ束になり、ねじった状態で紙に包まれています。これを”肌身離さず”身に着けることでご利益があるのだと聞いた私は、妙にドキドキしながら帰路についたのでした。

せっかく六本木まで来たのだから、あの当時オープンしたばかりだった『マーサーブランチ』に足を延ばしてふわふわフレンチトーストのモーニングでも…と一瞬、邪念が頭をよぎったのです。

でも、直行直帰の掟を思い出し、後ろ髪惹かれる思いで六本木を後にしたのでした。


“縁結びの糸”が、どん底女に奇跡の出逢いを呼ぶ?!


その翌日、日曜日のことです。

私は、近所の『MARUICHI BAGLE』で買ってきたフルーツベーグルサンドの朝食を、のんびり楽しんでいました。

すると、大学時代の友人からひさしぶりに電話があり、その日の夜のお食事会に誘われたのです。体調不良で来られなくなった別の友人のピンチヒッターとして急遽呼ばれたようでした。

―早速ご利益…?!まさかね…。

あまりのタイミングの良さに、さっそく期待してしまう単純な自分に呆れつつ、私は“縁結びの糸”をワンピースのポケットに潜ませて、ひさしぶりのお食事会に出かけました。

そこで出会ったのが、現在の夫である徹です。

お食事会のお相手は、外資系証券会社に勤める、いわゆる外銀エリートたち。

その日いた4人の男性メンバーの中で、徹は一番目立たない、おとなしい印象だったのですが、私にはなぜか彼だけが際立って、まるで浮き上がっているかのように見えたのです。

不思議な力に導かれるように、思い切って自分から彼に話しかけてみると、はじめて会ったとは思えないほど話が弾んで驚きましたね。

徹は、その地味な外見からはまったく予測できませんでしたが、実は同期の中で一番の出世頭で。

1年で人の数年分の年収と同じ額を稼いでいるにも関わらず、驕った態度は一切なく、堅実に生活している様子も好印象でした。

私たちはその日のうちにすっかり意気投合し、数回のデートを重ねたのち、正式に交際を開始。

そして付き合い始めて半年でプロポーズされ、スピード結婚の運びとなったのです。




ちなみに…

実は、徹にプロポーズされる一週間前、一時帰国していたカメラマンの元カレに、仕事関係のパーティーで偶然再会したんです。

あれほど恋焦がれた人でしたが…

私を見つけた瞬間、私を傷つけたことなんてすっかり忘れたかのように、へらへらと薄ら笑いを浮かべて話しかけてくる図々しい態度に、私の心はすっかり冷たくなりました。

残念な再会でしたが、逃げ回っていた彼と直接対峙できたことで、私はようやく彼との関係を完全に終わらせられたのだと実感できました。

あとになってある人から「縁結びの神様は、良縁を結んでくださるだけじゃない。もつれた人間関係の糸があれば、それを解きほぐしてくださるのよ」と聞きました。

縁結びの神様は、きっと私が徹との結婚を決める前に、私と元カレとの間でこんがらがったままだった糸をほどいてくれた…

きちんと気持ちの整理ができた後だったからこそ、私は徹からのプロポーズを1ミリの迷いもなく受けることができたのだと、心から感謝しています。



私の運命を明るく照らしてくれた【出雲大社東京分祠】は、いまでも、そしてこれからも、私にとってどこより特別で大切な場所です。

子どもが欲しいと思ったときも、幼稚園受験の前も、もちろんお参りさせていただきましたよ。だって子どもを授かることも、学校との出逢いも、すべてがご縁ですからね。

そういえば、私の親友で人気料理家の奈々にも、仕事を成功に導いてくれた、とっておきのパワースポットがあるみたいで…。

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エリート街道から脱落して一度はどん底へ…。そこから這い上がり、人気料理家へと飛躍を遂げた女のパワースポットが登場!