順路の最後には撮影可能エリアも

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2018年3月20日(火)から4月18日(水)までBunkamura ザ・ミュージアムにて「猪熊弦一郎展 猫たち」が開催されている。昭和期に活躍した洋画家として日本の美術史に名を残す、猪熊弦一郎(いのくま・げんいちろう)。「いちどに1ダースの猫を飼っていた」ほどの無類の猫好きとしても知られている。本展覧は、全国の猫好きが訪れ、話題となった丸亀市猪熊弦一郎現代美術館「猫達」展(2015年開催)がさらにパワーアップした、待望の東京開催だ。

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夫婦ともに猫好きだったという猪熊家。画家として、愛猫家としてたくさんの猫に囲まれた暮らしのなかで、モチーフとしても重要な存在となったのが猫だ。本展は、猫をモチーフに写実的なスケッチ、 シンプルな線描、デフォルメした油彩画を中心に猫以外の主題の作品も若干加えた、約160点で構成される。

会場の展示は、猪熊の生涯を追うような形で構成されている。まだほとんど猫を描いていない初期作品からはじまり、悠々自適な猫の様々な姿を捉えた渡米までの作品群、抽象画家として作品から猫の姿が消えたアメリカ時代、そして再び猫を描き出す晩年と、画風やモチーフの変遷から猪熊の生活を垣間見ることができる。なお、順路の最後には作品の撮影が可能なエリアも設けられている。

猫の愛らしい表情や威嚇し合う表情など多種多様に猫を描く猪熊の表現力に猫好きもきっと満足できる展覧会。春の訪れとともに、猪熊の描くユニークな猫たちに会いに行ってみてはいかがだろう。(東京ウォーカー(全国版)・やどかり)