ガブリエル・シャビエル選手/photo by Hiromichi Tabata/(C)KADOKAWA

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今シーズンから栄光の背番号10を継承し、名実ともに名古屋グランパスの顔として活躍が期待されるガブリエル・シャビエル選手。ファン・サポーターからは“GX10”の愛称で親しまれるブラジル生まれのテクニシャンに、日本での生活について、そして開幕に向けた意気込みを聞いた。

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■ 「富士山の頂上に登って、朝日を拝みたい」

――もう日本の生活には慣れましたか?

「思っていたよりも早く慣れることができたと感じています。ただ、来日した時は夏で、今は冬。日本の冬はブラジルに比べるととても寒いですね(笑)」

――食事に関してはいかがでしょう?

「日本食はとてもおいしいですよ。なかでも、しゃぶしゃぶが好きですね。あと、豚肉をタレにつけて食べる料理…。焼肉ではなくて…。ちょっと忘れてしまいましたが、絶品の料理でした(笑)。食事に不自由はしていませんね」

――では、日本で行きたい場所はありますか?

「行きたい場所ですか?なかなか難しいとは思いますが、もし許可をもらえるなら富士山に登ってみたいですね。頂上まで登って、朝日を拝みたいです。酸欠にならないように、ボンベを持って行かなきゃいけないですね(笑)」

■ 「本格的にプロを意識したのは、15歳のころ」

――類い稀なテクニックでサポーターを魅了するシャビエル選手ですが、サッカーを始めたのは何歳からですか?

「5歳から、自宅近くのサッカースクールで始めました。常に楽しんでプレーしていて、テクニックを磨くのが好きな子どもでしたね。監督が中盤を任せてくれることが多く、子どものころから攻撃的なポジションでプレーしてきました。私自身もそれが好きでしたから」

――小さいころからプロになることを意識していた?

「ブラジルの子どもたちはみんな情熱を持ってサッカーに取り組んでいますし、私自身もその1人でした。本格的にプロになることを意識したのは、15歳のころですね」

――ちなみにあこがれの選手は誰ですか?

「子どものころのアイドルはジダン選手でした。インテリジェンスあふれるプレーが大好きでしたね。あと、ロナウジーニョ選手も好きでした。現役の選手なら、フィリペ・コウチーニョ選手に注目しています。非常にスペクタクルなプレーを披露する選手ですよね」

■ 「10番は、魔法使いのような選手が背負っている」

――では、自身が考えるガブリエル・シャビエル選手の得意なプレーは?

「ゲームメイクとアシストですね。ゴールにつながるパスに注目してほしいですし、チャンスがあればもちろん得点も狙っていきます」

――今シーズンから10番を背負ってプレーすることになりましたね。

「グランパスで10番をまかせてもらえて、とても光栄です。世界的に見ても10番は特別な番号で、魔法使いのように違いを生み出せる選手が背負っているイメージがあります。ですから、私自身もそうなれたらいいなと思っています」

――他チームのファン・サポーターも、J1で躍動するシャビエル選手を観たいと思っているはずです。

「日本のサッカーは、ブラジルと比べて攻守の切り替えが速いです。J1では、なおさらスピーディな展開になるでしょう。ですから、これまで以上に自分のストロングポイントである“ゲームメイク”でチームにバランスを持たせて、攻撃面で貢献していきたいですね。グランパスには得点力のある選手が多くいますし、たくさんのアシストを記録していきたいと思います」

――今シーズンをJ1で戦ううえで、グランパスがさらに高めていくべきだと感じる部分はありますか?

「グランパスはビッグクラブですから、昇格組だとしても、J1で常に勝利を目指さなければいけません。高めていくべきなのは、新加入の選手との連携ではないでしょうか。今シーズンも新しい選手が加入しました。しかし、開幕までに連携の精度を上げていけば、必ず結果はついてくると感じています」

■ 「ジョー選手の加入でセットプレーが楽しみ」

――昨シーズンのブラジル全国選手権で得点王とMVPに輝いた、ジョー選手が加入しました。これは、ファン・サポーターにとっても、日本のサッカー界にとってもビッグニュースでした。

「経験豊富かつ偉大な選手であるのはわかっています。彼のグランパス加入を聞いた時はうれしく思いましたし、間違いなくチームにとって必要な存在になってくれるはずです。私自身も彼とプレーできるのが幸せですね。191cmの長身ですし、セットプレーからもたくさんのチャンスが生まれるのではないでしょうか。ぜひ期待していてください」

――最後にファン・サポーターへメッセージをお願いします。

「皆さんと共に戦って、タイトルを目指していきたいです。熱い応援をよろしくお願いします!」

陽気なブラジル人選手のイメージとは異なり、知性を感じさせる落ち着いた話しぶりが印象的だったガブリエル・シャビエル選手。サッカーIQの高さがうかがえ、“風間サッカーに欠かせないピース”である――。それが取材を終えた後の感想だ。

なお、グランパスの2018シーズンホーム開幕戦は、3月3日(土) 14:00キックオフ!豊田スタジアムでジュビロ磐田を迎え撃つ。観ていてワクワクする、風間グランパスのJ1での戦いに注目したい。

〈2018年1月20日取材〉(東海ウォーカー・初野正和)