大型マイナーチェンジを果たしたトヨタ86

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トヨタ自動車の人気車「86」がマイナーチェンジを果たし、8月1日から発売する。価格は262万3320円〜。

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86は2012年から発売を開始したFRスポーツ車。今回が初の大型マイナーチェンジだ。

プロトタイプの段階から、レースの現場、特にニュルブルクリンク24時間を開発の場として、2014年にはクラス優勝も果たした86。今回のマイナーチェンジでは、それらサーキットで培われた技術が投入されている。

運動性能の向上として、エンジンまわりでは、吸排気抵抗を低減させ、アクセルレスポンスをより一層向上。あわせて低回転域でのリニアなトルク向上を含む、幅広い回転域での最大トルク発生を実現した。また、ボディ剛性の補強がなされた他、ニュルブルクリンクで鍛えたサスペンションを搭載し、一層の高い操縦安定性を実現した。電子制御は、モータースポーツユースにも対応するモードを用意する。

エクステリアでは、空力操安機能を追求。フロントマスクには、ノーズフィンをはじめ、フォグランプ周辺にベゼルフィン、そしてカナードを設置。また、ワイド&ローを基調とするデザインとすることで、よりスポーツカーらしさを強調した。上位グレードであるGT ”Limited”には、アルミの押出成形のウィングタイプのリアスポイラーを標準装備し、操縦安定性に寄与。

室内はレーシングドライバーの意見を取り入れ、機能性を向上。ステアリングは新規開発で、さらに小径化。握った瞬間に脇が閉まるようにしている。メーターはタコメータの配置を見直し、視認性を高めた。

開発を担当した多田チーフエンジニアは「86は登場以来、ニュルブルクリンクをはじめとする、様々なサーキットの場で鍛え上げてきた。そして、トップドライバーの方から、アマチュアレーサーまで、色々な方の意見を頂いた。マイナーチェンジのコンセプトは、レース参戦から生まれたさらなる深化。実際に乗って頂ければ、その進化を体感できるはずです」と自信のほどを見せた。

会見の場では、実際にニュルブルクリンク24時間に参戦するレーサーの影山選手が登壇。「レースで作った部品と、市販の部品は違うと思われるかもしれないが、30何年レースをやってきて思うのは、乗り心地の悪い車というのは、ドライバーが負担がかかる。勝てる車、シリーズチャンピオンが採れる車というのは、乗り心地がよい車です。だから、サーキットで培った技術というのは、一般の人にも享受できます」との持論を披露。そして「このモデルは86の集大成です」と語った。

同席したミスターGTこと、脇阪寿一氏も「今朝、初めてこの車に乗ったのですが、思わずニンマリしました。いい車は人を笑顔にします。この車と一緒に、モータースポーツの楽しさを伝えていきたい。僕は素晴らしい相棒を手に入れた気分です」と感想と今後の豊富を述べた。

当初は若者向けに開発したにも関わらず、40〜50代が購入していたが、近年では20代からの注文が多く、そのうちの7割がマニュアル・トランスミッションを選択されるという86。多田チーフエンジニアも「もっと多くの方に86に触れていただき、その楽しさを知っていただきたいです。若者のクルマ離れと言われますが、この車はきっと好きになります」と話した。

販売店で試乗車の準備ができるのは9月頃までかかるとのだが、この夏には、全国のサーキットでいち早く86に触れることができる試乗イベントも実施するとのこと。

今年の夏から秋にかけて、新しくなった体験してみてはいかがだろうか。【東京ウォーカー】