読み方、ワかんなインです。

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今年(2014年)もフランスのBeaujolais地方から、初物のワイン(nouveau)がやってきます。毎年第3木曜日に解禁となり、日本中がお祭り騒ぎに包まれるワインですが、皆さんはこの「Beaujolais Nouveau」を、どう呼んでいますか。

「ボジョレー・ヌーボー」? それとも「ボージョレ ヌーヴォー」? ――実は製造元、販売店によって表記が異なります。編集部でも毎年悩まされるこの"何て読むのが正しい?問題"。そこで今回は酒造、コンビニ、スーパー・ディスカウントストア計12社のプレスリリースをもとに、それぞれの使用頻度を調べてみました。

コンビニは「ボジョレー」、メーカーは「ボージョレ」

まずは「Beaujolais」の読み方。リリースを見比べたところ、「ボジョレー」は7社(酒造1社、コンビニ4社、その他小売2社)、「ボージョレ」は5社(酒造3社、コンビニ0社、その他小売2社)という結果になりました。

このデータから、メーカーは「ボージョレ」推し、小売店は「ボジョレー」推しだとわかります。ただクッキリと区別されているわけではなく、同じイオン系列でもミニストップ(ボジョレー)と、イオンリテール(ボージョレ)でわかれるなどの表記ゆれも見られました。

では、弊社のような文字メディアでの「正解」はなにか。手元の「記者ハンドブック 新聞用字用語集 第12版」(共同通信社)を開くと、「ボジョレ・ヌーボー」と書かれていました。第3の刺客「ボジョレ」に困惑しつつ、さらにページをめくると、外国語の地名は「現地での呼称に基づく片仮名書きを原則とする」とされています。Google翻訳で発音を確認すると、確かに「ボジョレ」っぽい!

つまり、メディア的には「ボジョレ」がベター。メーカーは「ボージョレ」が主流だけれど、コンビニは「ボジョレー」ばかりということになります。

「ヌーヴォー」強し、なんと80%超!

そして後半戦。今度は「nouveau」をどう読むかです。こちらは「ヌーヴォー」10社(酒造2社、コンビニ4社、その他小売4社)、「ヌーボー」1社(サッポロビールのみ)、「ヌーヴォ」1社(アサヒビールのみ)にわかれました。どうやら「ヌーヴォー」一強のようです。

ちなみに、かつて放送していたテレビ番組「グータンヌーボ」(フジテレビ系)は、「nouveau」を「ヌーボ」と表現。「記者ハンドブック」は「ヌーボー」としています。なお森永製菓が出していたチョコレート菓子「ぬ〜ぼ〜」のスペルは「noobow」ですので、お間違えなきよう。

ついでに「Beaujolais」と「Nouveau」の間をなにで区切るかも調べたところ、スペース(空白)が2社、「・」(通称なかぐろ)が10社という結果でした。


酒造4社は、すべて異なる表記。やはりオリジナリティを大切にしているのでしょうか。対するコンビニは「ボジョレー」「ヌーヴォー」で横並び(セブン‐イレブンをのぞく)。まるで星の数のように、「Beaujolais Nouveau」は千差万別。自分の心の中にあるカタカナ発音を信じて、11月20日の解禁日を待ちましょう!


今回調査したのは、酒造大手4社(アサヒビール、サッポロビール、サントリー、メルシャン)と、コンビニ大手4社(ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップ)、スーパー・ディスカウントストア3社(イオンリテール、西友、ドン・キホーテ)、スーパーとコンビニ両方を持つ1社(セブン&アイホールディングス)の計12社。イオンリテールはリリース未発表のため、特設ページから確認しました。