「昔から東洋医学では、女性の体は7の倍数の年齢に変化するといわれています。それは体が老化することを意味します。7の倍数はあくまで目安ですが、現代は昔より成長が早く、実際には年齢が前倒しで体のピークを迎えています。そして35歳ぐらいからは個人差が大きくなります。大切なのは、その年代ごとに体の状態を把握し適切なケアをしていくことです」

そう話すのは、日本薬科大学学長の丁宗鐵(てい むねてつ)先生。今回は、女性の体が変化する「35歳、42歳、49歳」のケアを丁先生に教えてもらいました。

【35歳 激動期】
この時期は女性ホルモンの減少があってもまだ女性ホルモンは残っています。女性ホルモンを効率よく巡らせ、活性化させましょう。ダイエットはスリムになることが目的ではなく、あくまでも体の循環をよくするためと考えること。必要以上の食事制限をしたり、過激な運動は禁物。

欠かせないのが良質な睡眠。夜はゴールデンタイムといわれる午後10時〜午前2時までに寝て、早起きしましょう。女性ホルモンを活性化するだけでなく、脂肪を燃焼させることができるのでダイエット効果もさらにアップ!

食事のおすすめは繊維質の多いものや発酵食品。スパイシーな食材。山いもや大豆、ごぼう、玉ねぎなどを漬け物にしたり、カレーに入れたり、キムチなども意識して食べましょう。夜はおかずだけにして炭水化物は控えること。ワイン、ビール、日本酒などのお酒は太る原因なのでNG。

【42歳 情動期】
この時期は女性にとって人生の節目。白髪が目立ち始め、肌の乾燥やかさつき、体力の衰えも感じるようになります。体は徐々に更年期に向かっていきます。精神的な充実感がないとストレスから食欲過多になり太ることに。趣味をもつ、気の合った仲間とコミュニケーションをとるなど、心の充実も含めたケアが必要です。

体の代謝が落ちてくる時期なので冷えすぎると肥満にも。ふだんから腹巻きをして下腹部を温める、薄着はしないなど工夫すること。また、夏場はシャワーですませる人が多いのですが、湯舟につかって体を温めましょう。

食事のオススメは、サバ、サンマ、イワシ。それらに含まれているEPAやDHAは血液中の中性脂肪値やコレステロール値を低下させ、血流をよくします。唐辛子やカレー粉などの香辛料を使ったスパイシーな食事も代謝をアップさせます。ただしこの時期から代謝が落ちてくるので、食べすぎは禁物です。

【49歳 更年期】
女性にとって更年期は誰にでも訪れます。この年代で大切なのは食事やライフスタイルなど日常生活を見直すこと。無理をせず、すべてにおいて8割ぐらいにペースダウンするのがポイントです。

筋肉や骨を強化するためにも日光を浴びながら、軽い全身運動や散歩を楽しみましょう。適度なエクササイズは不眠解消にも。また、インナーマッスルを鍛えるためには、横隔膜を動かすカラオケなどもオススメです。

食事は、肉や魚(特に小魚)などの良質のタンパク質をとり、塩分は控えましょう。ドリンクは豆乳や豆乳ヨーグルトなどがオススメ。腸も弱ってくるので、肉や魚も発酵したもの(干物や塩分を抜いた粕漬け、豚肉の味噌漬けなど)を。この時期からは1日2食が理想的です。