生理中に体脂肪率が激増するワケ「女性ホルモンの影響により、体内の水分量が変わる」

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生理前は体重が増えるという女子も多いはず。しかし、生理が始まると、体重は減っても体脂肪率が上がることがあるというのです。

わずか1%の増減でも、一喜一憂してしまう体脂肪ですが、生理中と生理後では、どうして体脂肪が違ってくるのでしょうか。

人間の体重は、1日のうちでも1〜2kg前後は変動するもの。これは、食べ物や水分の摂取量、汗や便などの排せつ量、体内水分量などによるものです。

だから、「体重が増えている=太った」というわけではありません。

そして、体脂肪率は生理周期によって変動する可能性があります。なぜなら、生理の時期に分泌される女性ホルモンの影響により、体内の水分量が変わるからです。

家庭用などの一般的な体脂肪計は、主に「インピーダンス法」という方式が使われています。インピーダンス法とは、身体に微量の電流を流し、その電気の流れにくさを計測して体脂肪を算定する方法。

これは、水分を多く含む筋肉は電気を通しやすく、水分をほとんど含まない脂肪が電気を通しにくい原理を利用しているのです。

だから、体脂肪率の測定には、体内の水分量が大きく関係してきます。つまり、体内の水分量が多い時は体脂肪率の数値が低くなり、逆に少ない時は高くなります。

それではなぜ、生理周期によって体内の水分量が変わるのでしょうか。

生理前は、女性ホルモンである「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が多く分泌されます。

黄体ホルモンは、体内に水分をため込む作用があるので、体内の水分量が多くなり、ムクミやすくなるのです。
この体内の水分量に反応して、生理前は体脂肪率の数値が低くなり、また逆に体重は重くなります。

でも、生理が来ると、月経血などとして水分を排出するので、体内水分量が減り体脂肪率は上がってきます。

そして、生理後は「卵胞ホルモン(エストロゲン)」という水分の排出を促す女性ホルモンが増加します。生理前に水分量の影響で一時的に低くなった体脂肪率は元に戻り、体重増加も解消されるのです。

ですから、この変動は、あくまでも体内水分量が変化したからであって、実際に体脂肪率が増減しているわけではありません。

そのほか、体脂肪率は食事・飲酒・入浴・運動直後などで簡単に変動するもの。体脂肪率の計測は、なるべく同じ時間帯に、同じ条件で計測することが重要です。

少しばかりの数値の増減にまどわされないで、継続的に数値を見続けることが大切です。