一方、もうひとつの考え方が特徴を補正する似合わせです。面長であれば縦長感を和らげ、丸顔であれば横幅を目立ちにくくする。つまり、それぞれの特徴を強調するのではなく、全体をバランスのよい卵形へ近づけて見せる考え方です。面白いことに、「強調型」と「補正型」では、同じ人に対して真逆のヘアスタイルの提案になります。だからこそ「似合う髪型を教えてください」と言っても、人によって答えが違うのです。

◆私が「補正型」をおすすめする理由

 ちなみに私は、一般の方へのコンサルティングでは、基本的に「補正型」をおすすめしています。例えば、漫画やアニメなどのキャラクターを想像してみてください。キャラクターの場合は、顔や髪型の特徴を強調したほうが個性が際立ち、一目見ただけで「あのキャラクターだ」と認識しやすくなります。その意味では、強調型との相性がとてもいいと感じます。

 一方、一般の方の場合は、私がこれまで多くの方を見てきた経験上、特徴をさらに目立たせるよりも、気になっている部分を自然に補正したほうが「こっちのほうが好き」「こっちのほうがキレイに見える」と感じる方が多いのです。そもそも本人がコンプレックスに感じている部分は、その人の顔の「特徴」になっていることも少なくありません。

 そこで私のコンサルティングでは、その特徴を無理に消すのではなく、目の錯覚を利用して全体のバランスを整えて見せることを大切にしています。ヘアスタイルは、特に輪郭の補正に非常に効果的です。ではここからは実際の受講者さんたちの例を交えながら、顔の特徴別に補正方法を解説していきます。

◆面長が気になる場合は「横」を意識

 面長寄りのAさんの場合。面長さんを補正するときの基本ルールは、「横を強調する」ことです。顔そのものの縦幅を変えることはできませんが、顔の周囲に横方向のボリュームを作ることで、相対的に縦の長さを目立ちにくくすることができます。

 例えば、前髪を作ると、おでこの見える面積が小さくなるため、顔の縦幅が短く感じられます。さらにサイドをふんわりさせることで横幅が加わり、全体として丸みのあるシルエットに近づきます。Aさんの場合、もともと前髪は作っていました。ただ、短くパツンと切った前髪は幼い印象になりやすいため、少し長めに伸ばし、コテで自然にカールさせています。

 また、以前はサイドの髪も短く、輪郭をそのまま拾うスタイルでした。そこで表面の髪を少し長く伸ばしてもらい、コテでふんわりとカールするようにアドバイス。顔そのものは何も変わっていないのに、髪のシルエットをちょっと変えるだけで、縦長感が和らいで見えるようになります。