2026年、勝訴までの経緯を涙で話す平尾曜子さん
佐賀県在住の会社員、平尾曜子さん(当時34歳)のXやInstagramに、ある日突然、見知らぬ男性達から大量のDMが届き始めました。今から5年半前、2021年2月5日のことです。

◆誰にでも突然起こりうる「なりすまし」被害

「Tinderから来ました!セ●レ募集中ですがどうですか?」
「どういうプ●イがすきなの?」
「Tinder見たよ♪ 穴埋めさせて♪」
(※●は編集部)

すべてがこのような内容でした。当時、平尾さんは婚約者もおり、マッチングアプリのTinderは使っていませんでした。

実は、何者かがTinderに、平尾さんになりすましたアカウントを作ったことが原因だったのです。平尾さんは、この相手に損害賠償を求める民事訴訟を起こし、佐賀地裁は2026年7月1日、529万5340円の支払いを命じました。判決は確定しています。

何の落ち度もないのに、誰にでも突然起こりうる、「なりすまし」被害。平尾さんに、闘いの詳細についてインタビューしました。

◆見知らぬ男性たちから、ひどすぎるDMが殺到

男性達から膨大なDMが届いた2021年、平尾さんは、男友達に頼んでTinderを調べてもらいました。

「すると、何者かが『平尾曜子』の名前でTinderのアカウントを作って、私がSNS投稿した写真も使っていたのです。
自己紹介には、『ドビ●チDMください』『Tinderのメッセ見れないからSNSまで』などと、卑わいなことが書かれていました(※●は編集部)。

そして、私のInstagram、Twitterのアカウント、本名、仕事、卒業校、居住地に関する情報も載っていました。それを見た男性達が、私に連絡をしてきていたのです」(平尾さん、以下同)

◆2日間のなりすましで、400通もDMが

Tinderは位置情報から、「6キロ先」「50キロ先」など、どれぐらい離れているかが、相手に表示されます。DMを送ってきた男性達の中で、まだ会話ができそうな人に、なりすましであることを説明したうえで、何キロと表示されているかと相手の居住地を聞きました。

「情報から地図上でマッピングしていくと、どうも福岡県あたりに住んでいる人が勝手にアカウントを作っているらしいことが分かりました。

Tinderになりすましを報告し、アカウント削除してもらったのですが、またすぐに別のなりすましアカウントが作られてしまったのです。投稿を見た人が、家を特定して尋ねてきたらどうしようと思うと恐怖でいっぱいでした」

なりすましアカウントがあったのは2日間だけですが、平尾さんには1年間にわたって400件以上のDMが届いたといいます。