朝ドラ、大河とNHK作品で存在感を増す30歳俳優。凛とした美しさと“眉間の演技”に釘付け
2024年放送の連続テレビ小説『虎に翼』では判事役、2025年の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では老中役を演じた。井上祐貴はNHK作品で着実にキャリアを築いている。
そしてこれらNHK出演作が作品間で連動していることが実に興味深い。“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。
『風、薫る』に井上祐貴が登場した。物語の舞台が変わり、新しい風が吹き込む。井上演じる新聞記者・横沢公輔が初登場したのは、第16週第79回。主人公・一ノ瀬りん(見上愛)は、女学校の舎監として新潟に赴任していた。
人々が行列を作る飴屋で、横入りする横柄な地主を見たりんが注意する。そこに助っ人。「異議あり! 問題あり!」と語気を強める横沢が横から入ってくる。それでもふてぶてしい態度の地主に対して、まったく怯まず叱責の言葉の数々を浴びせる。
地主の人間性を小馬鹿にして、朗々と説教を始める横沢は、やたら眉毛を上げて挑発する。弁舌さわやか。もはや一人芝居。途中、視線を下げまたすぐに上げるとき、横沢の眉間に一瞬皺が寄るのが見逃せない。井上祐貴は、こうした明確な微動でリズミカルな演技を作る達人だ。
◆井上祐貴の初登場にSNS上が歓喜!
2025年放送の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』でも、やはり初登場の瞬間から微動の演技が顕著だった。同作で井上が演じたのが松平定信役。老中首座、将軍補佐を兼務して、有名な寛政の改革を行い、幕政を変えようとした人物である。
同作初登場は第30回冒頭。書物好きの定信が読み物を読み耽る様子を捉え、カメラがなめらかな動きで引く。その瞬間、眉間がパキッと動く。何かをひらめいた表情で眉間に皺を寄せ、その後も執拗に眉間をピクピク。視聴者が気になるくらい動いていた。
役の性格も横沢と似ている。松平定信は改革を強行し、若い理想に燃えた。横沢も曲がったことが大嫌いで、明治時代の選挙システムに異を唱える。2人とも揺るがない精神があり、熱い。
『風、薫る』で井上祐貴が初登場したことに歓喜したSNS上では、横沢役が「松平定信にしか見えない」といった投稿が散見されたくらいである。
◆ほぼすっぴん顔が一際美しい人
井上祐貴は同じNHKドラマ作品間を不思議と結び付ける。
連続テレビ小説初出演作となった『虎に翼』(2024年)では、理想と情熱で葛藤する、正義感に溢れる初々しい判事・星朋一役を演じた。この作品でも中盤で主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)が東京から新潟に赴任する。
新潟篇での赴任先は新潟地方・家庭裁判所だった。そこで寅子は、同僚判事・星航一(岡田将生)と再会する。その航一の長男が朋一である。
岡田将生と井上祐貴はそこまで年が離れているわけではないが、航一役の岡田と朋一役の井上が演じる、美形判事父子には妙に説得力があった。
演技以外でも実に凛としていて美しい。これまたNHKで放送された旅番組『チョイ住み』(2025年放送)で、一週間の共同生活を過ごした長谷川穂積が井上を前に「なんせ顔がきれいなんで緊張します」と言っていた。
この番組貴重な映像でもある。なるべく2人の自然体をおさめようとするカメラには、時折、ほぼすっぴん顔の井上が映るのだ。彼らが滞在したメルボルンの市場での買い出し場面で、ランチを終えた井上の横顔はほとんどすっぴんに見えた。井上祐貴は、ほぼすっぴん顔でも一際美しい人だ。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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