時任勇気Instagramより
 時任勇気がテレビドラマの犯人役として重宝されている。その理由は、「形から入るタイプ」だという役作りにある。

 ざっと出演作を俯瞰しただけでも、役柄のビジュアル(見た目)が印象的な役が明らかに多いことがわかる。しかも最近は犯人役が多い。

 2026年4月期ドラマ『夫婦別姓刑事』(フジテレビ系)でも犯人役を演じた。“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。

◆役作りは「形から入るタイプ」

 見た目から入るか中身から入るか……。役を演じる俳優にとって、役柄の見た目も中身も役作りには欠かせない情報である。内面をきちんと理解してからビジュアルを作る人もいるだろうし、ひとまず外見を足がかりにする人もいるだろう。

 俳優によってアプローチ方法は違う。どちらがいいというわけではないが、でも過度に内面性を深掘りし過ぎるとこれはどうも野暮ったい印象の演技になることは多い。それなら潔く外見から役作りを始めるのは案外、得策なのかもしれない。

 2020年のORICON NEWS掲載インタビューで、時任勇気は「形から入るタイプ」と答えている。そういわれてみると確かに、時任が演じる役はパッと見て、ビジュアル情報が先行する役柄が多いように思う。

◆犯人役が似合う理由

 最近の出演作だと、『夫婦別姓刑事』第6話にゲスト出演。メイン舞台である沼袋署の刑事課に立て籠る犯人・氷川悠馬役を演じた。氷川は元刑事であり、上司だった刑事課課長・小寺園みちる(斉藤由貴)のことを恨んでいる。

 偽物の爆弾を身体に巻き、刑事たちを人質にとった。署内に入るとき、ロングコートの下に偽爆弾を隠していた。受付で腹痛を装い、トイレを貸してもらうふりをして、刑事課までうまくもぐりこんだのだ。

 偽爆弾が見えないようコートを強くおさえ、刑事課までの階段をあがった。コートは犯人役のキーとなるビジュアル情報だが、時任はこのコート一着で犯人に見える見た目を完璧に作っている。犯人役が似合う理由は、何より時任が犯人役のビジュアルに溶け込むのがうまいからだ。他にもビジュアル情報が先行する犯人役があった。

◆さわやかな笑顔がネットニュースになるギャップ

 こちらも刑事ドラマのゲスト出演。警視庁のおとり捜査を題材にした『スティンガース 警視庁おとり捜査検証室』第2話では、配信者カップルを標的にした誘拐犯役を演じた。パーティにうまく紛れ込み、ターゲットを探すため、清掃業者に変装していた。

 なかなかホラーなビジュアルであり、「形から入る」役作りが見事に成功している。先にビジュアルを仕上げているからこそ、(役柄の)内面を表現する演技にも全体として余白がうまれる。犯人役として過剰な印象にならないのも特徴的だ。

 ちなみに犯人役ではないが、2026年1月期ドラマ『人は見た目じゃないと思ってた。』(テレビ東京系)では、ファッション誌の編集部員役を演じ、キャップが印象的なコーディネートだった。

 刑事ドラマの犯人役に重宝される時任だが、一方で本人のInstagram上には、さわやかな笑顔が目を引く投稿が多い。それらはもれなくネットニュースになる。このギャップ。父・時任三郎が牛若丸三郎太名義で1989年にリリースしたCM曲「勇気のしるし」に由来する、勇気という名前もまたさわやかでいい。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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