そろそろ転職したいなあと思っているのですが、年始に行った占いで「今年はおとなしくしておいたほうがいい。転職や引っ越しなど思い切った決断はしないこと」と言われたことがひっかかっていて躊躇(ちゅうちょ)しています。占いの類いはほどほどに楽しむ程度にしておこうと思っているのですが、「大安」などの六曜や「厄年」は一応気にしてチェックしています。

ちょうど気になっていた会社の書類審査が通って来週面接に行くのですが、占いで言われたことがチラついて「やっぱやめておこうかな」と思ってしまいます。もしうまくいかなかったときに「やっぱり占いは当たっていたんだ」と後悔しそうなのが嫌です。占いとの付き合い方を教えてほしいです。

カウンセリングの代わり? 占いの役割

メンタルケアの先進国である欧米諸国にも占いはあるのですけど、悩み事の類いは主にカウンセリングを日常的に利用していますね。

学校にはスクールカウンセラーがいて、恋愛関係や夫婦関係専門のカウンセラーもいたり、身近な相談相手として日常的にカウンセラーに話を聞いてもらうことはごく一般的な行為です。

一方、日本では「カウンセリング」と言うと精神疾患をイメージする人もまだまだ多いので、普段のちょっとした悩みや相談でカウンセリングを利用するには敷居が高い風土です。

ただでさえ日本人という民族は遺伝子的にも不安を感じやすい傾向*があるというのに、メンタルケアに関して言えば完全なる途上国といえるのかもしれません。
* https://toyokeizai.net/articles/-/353274?page=2

そこでカウンセリングの代替として栄えたのが「占い」なんですよね。

欧米諸国でのカウンセリングの役割を、日本では占いが担っているということです。

最近ではちゃんと心理学を勉強した「占いカウンセラー」なるものもあって、以前よりもメンタルケアに重きを置いた占い師さんもたくさんいらっしゃいますが、そもそもカウンセリングと占いは目的が違うんですよ。

占いの目的とは主に具体的なアドバイスや解決策をズバリと提示するものだと思うのですが、カウンセリングの目的は主に傾聴です。

クライアントの心に寄り添い、ご本人にはない角度から質問をして、話を引き出しながら悩みを整理整頓してメンタルを整えるのが目的であって、具体的なアドバイスや解決策を提示することはありません。

あくまでも心を整えるお手伝いをするだけであり、肝心な部分はクライアントの整った心で決めていただくのです。

肝心なことは自分で決める

占いにハマってしまう人の多くは「こうしなさい、ああしなさい」とズバリ言ってほしい人が多いんですよね。

なぜなら自分で決断できないから。

その「自分で決断できない」という根本的な弱さにアプローチするのがカウンセリング。

占いなんてインチキだからやめなさいとは言いませんが(優秀なカウンセリングをしてくれる占い師さんもたくさんいらっしゃいます)目的はメンタルを整えるためだけにしておき、肝心の決断部分は自分が決めるように心掛けておきましょう。

占いの指示に従っても、占いは責任を取ってはくれませんからね。

どうせ自分が責任を負うことになるのなら、自分の好きなように生きるのが大吉だと私は思いますよ。