500人以上の女性の仕事と恋を幸せに導いてきたキャリアコンサルタント・小川健次が、堅実女子の皆さんの人生を上方修正する、ちょっとしたコツをお教えする連載です。

今回のテーマは、結婚したいのに不倫にハマってしまう女性について。その傾向と対策を紹介します。

「守ってあげたくなる」と好きになってしまう

大手機械メーカーのマーケティング部門でキャリアを積む澄江さん(仮名・32歳)は、1年前から婚活に取り組むものの、なかなか良いご縁に恵まれません。

直近に別れた彼は、結婚の約束をしていた俳優志望でフリーターの男性。28歳から3年も交際し、澄江さんは入籍する日を心待ちにしていました。

「彼はイケメンで優しい。私、守ってあげたくなる男性が好きなんです。私が稼ぐし、私の言う通りにしてくれて、お小遣い程度を稼いでくれる男性と生活したかったのです」と振り返ります。

しかし、彼は澄江さんに内緒で、200万円もの借金をしていたのです。

何度か彼の部屋で、督促状らしき封書を見たことはありました。そのときに、「これは何?」と聞いても、彼は素知らぬ顔で「何かの間違いみたい。連絡しておく」と言い続けます。そのお金の使い道は、浮気でした。大学生の女性に入れあげて、高級ホテルなどを泊まり歩いていたのです。そこには、澄江さんが渡したお金も使われていました。

そして、「もうこの人は信じることはできない」と、彼との別れを決意。

次は信頼できる人と出会って付き合いたい。そう考えていろいろな人と出会うも、澄江さんがピンとくる出会いはなかなかありません。

澄江さんは容姿が整っており、人見知りしない明るい性格もあって、声をかけてくれる男性に不足することはありません。しかし、その多くはモラハラの気配があるハイスペック男性。

澄江さんは、イケメンで優しいが、ルーズな元彼との生活に慣れていたので、彼らとの交際が想像できません。また、「裏切られるのではないか」と相手を疑い、警戒心を強めてしまうのです。

それから半年、ミーティングルームを出た澄江さんに「おお!久しぶり!」と声をかけてきたのは誠司さん(仮名・38歳)です。海外勤務から帰って来たばかりで、マスクをしてはいましたが目は生き生きと優しい。大学時代の同級生と結婚し、子供が2人もいる男性ならではの安定感もあります。

かつては、後輩と先輩の関係だった

イケメンで優しい元先輩との関係にのめり込む

誠司さんは、澄江さんが入社したときに配属された、営業部門時代の先輩です。その後、お互いに異動になった後も、ときどき社内の情報交換を目的に連絡を取り合っていましたが、誠司さんが海外転勤になってからは疎遠になっていました。

コロナ禍でも現地で実績を上げ続けた誠司さんの噂は、澄江さんの耳にも入ってきていました。誠司さんから「メシでも行こうよ。おごるよ」と言われ、近況報告会の食事をすることになったのでした。

食事の席で誠司さんと話しているうちに、澄江さんは自分の気持ちが不思議と落ち着いていることに気が付きました。ここ最近は、何人かの男性と会っていても、相手がウソをついていないか、本心はなにを考えているのかを警戒ばかりしていました。

誠司さんのことは10年ほど前から知っており、仕事で気心知れています。恋愛目線で見たことはないけれど、向き合ってみるとイケメンで優しい。

誠司さんも、心を許せる後輩・澄江さんとの時間は、とても楽しかったのでしょう。その日は静かに盛り上がり、次の約束をして帰りました。

それからお互いに食事に誘い誘われるうちに、距離が急接近。その後、男女の関係に。誠司さんが既婚者であることや、澄江さんに結婚願望があり、婚活中であることなども2人の障害にはなりませんでした。

「この時、私は結婚相手を探すのに疲れて、とりあえずの寂しさを埋めるためだけと思っていたんです。誠司さんは、よく知っている相手だし、口も堅い。安心できて都合が良かったんです」

しかし、男女の関係は始まってみないとわからないもの。割り切った大人の関係で終わらせようかと思っていたのに、澄江さんの気持ちは、完全に誠司さんにのめり込んでしまいます。

すると誠司さんは「正直に言う。僕は澄江の人生は背負えない。一緒に生きる相手ではない。この辺でやめておこう」と、3回目のデートで、正式に関係の清算を求められ、澄江さんはそれに「わかった」と答えます。そして、失意のうちに、私のオフィスにやってきたのです。

俳優希望の彼は、お金がなかったけれど楽しかったが、彼の浮気と借金で別れてしまった。

 【「ダメ男」からの「既婚男性との不倫」にハマる人は多い……後編に続きます】

■プロフィール

恋愛・キャリアの賢人 小川健次

恋愛カウンセラー/営業・マーケティングコンサルタントとして、年間約500名の女性をカウンセリング。恋愛とキャリアの両立のためのアドバイスが支持される。同時に、中小企業を対象とした営業、マーケティングのコンサルティングを行なう。 株式会社リエゾンジャパン代表取締役、社団法人感覚刺激と脳研究協会理事ほか、多岐にわたる活動をしている。
Blog : https://ogawakenji.com/