“6時間睡眠”は少なすぎ!正しい睡眠を医師が解説「寝溜めは避けて起きる時間は…」
日頃の睡眠不足を取り返そうとして、休日に寝溜めをしているという人が多いかもしれません。ですが寝溜めは免疫力にどのような影響を与えてしまうのでしょうか。
今回は健康スポーツ医である木村好珠先生に、寝溜めによる免疫力へのデメリットについてお聞きしました。
寝溜めによる免疫力へのデメリット画像:Leszek Glasner/Shutterstock──毎日の睡眠時間が少なくても、寝溜めをすれば健康的に問題は無いのでしょうか。
寝溜めはできないと思ったほうがよいと考えています。休みだからといって、朝遅くまで寝てしまうと、睡眠リズムが崩れてかえって逆効果になることもしばしば。
疲れているときは、早めにベッドにつき、起きる時間は一緒にするのが良いでしょう。
──寝溜めをすると免疫力にどんなデメリットがありますか?
睡眠がうまく取れないと、まずは睡眠の質が低下していきます。それが、免疫力の低下につながる可能性があります。
さらに公益財団法人長寿科学振興財団の『健康長寿ネット』でも「不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害があると、交感神経の緊張による血管の収縮、酸化ストレスや炎症、血糖を上昇させるホルモンの過剰分泌、代謝異常、活動性の低下による運動不足などの生活習慣病を発症する要因が整います」(※1)とあります。
──免疫力が下がるとどんな危険がありますか?
免疫力の低下によって、様々な病気にかかりやすくなると一般的に言われています。例えば、同じ病原体が体内に侵入してきても、発症する人としない人がいるのは、この免疫力が関係していると私個人は考えています。
正しい睡眠をとるには?画像:Viktoriia Hnatiuk/Shutterstock──正しい睡眠で免疫力に良い影響を与えることはできますか?
もちろんです。正しい睡眠をとることは、成長ホルモンの分泌を促すと一般的にいわれています。
また、近畿大学の『メディカルサポートセンター』(※2)では「成長ホルモンには、子供では体の成長を促し、成人では組織を修復して疲労を回復させるなどの重要な働きがあります。」と書かれています。
──医師という立場から、寝溜めをしないために日頃から心掛けた方が良い習慣などはありますか。
日常から、睡眠の時間だけは確保しています。6時間睡眠では少ないので、7時間程度はとるようにおすすめしています。私自身忙しい時こそ睡眠を大切にするように意識しています。どうしても長く寝たい時には、早めの就寝が良いでしょう。
疲れたときにリフレッシュするには、とにかく睡眠が大切です。時間とともに、部屋の環境も自分の寝やすい環境に整えて、質の良い睡眠をとりましょう。
いかがでしたか? 免疫力を維持するためにも、日頃の習慣としてぜひ取り入れてみてください。
※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
<プロフィール>
木村好珠
精神科医、産業医、健康スポーツ医。精神科医として常勤し、都内企業の産業医も務めている。また、東京パラリンピック ブラインドサッカー日本代表、北海道コンサドーレ札幌アカデミーのメンタルアドバイザーとしても活躍中。
【画像・参考】
※1 睡眠と健康長寿の関係 | 健康長寿ネット
※2 睡眠について | 病気について | 近畿大学 メディカルサポートセンター
※Monkey Business Images・Viktoriia Hnatiuk・Lisa-S/Shutterstock
“6時間睡眠”は少なすぎ!正しい睡眠を医師が解説「寝溜めは避けて起きる時間は…」はWoman Wellness Onlineで公開された投稿です。
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