探偵歴10年以上、浮気調査に定評があるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情。

パートナーがいる男女の恋愛の詳細を、美人探偵・山村佳子がその事件簿から紹介します! 

浮気がバレた後の関係、浮気調査のポイントについても語ります。

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今回の依頼者は、佐伯柊也さん(仮名・34歳)。大手IT企業の正社員でSEをしている物静かな男性です。名門大学卒業で、顔立ちがとても美しく、ゆっくり話すのが印象的。性格も優しく真面目そうで、最初にお会いした時「貴族」とか「王子」いう単語が頭に浮かびました。

柊也さんは同棲10年になる2歳年上の彼女について、私たちに何度か相談されていましたが、そのたびに「やっぱり、大好きな彼女の秘密を知るのが怖い」と調査に入ることをためらっていました。

しかし、今回は、違うようです。というのも、柊也さんは大きなお家の長男。結婚問題は一族全員の問題だそうで、彼女のことを洗いざらい調べて、“佐伯家の嫁”にふさわしいかどうか、判断されるんだとか。

「イマドキ古臭いし、そんなのプライバシーの問題に反するとは思っていますが、両親や親戚からすると“結婚と恋愛は違う”ってことですよね。恋愛を楽しむのはいいけれど、家族になるなら、誠実で賢く、嘘をつかない人でないとダメなんです」

すでに親戚は彼女のことを調べているようで、彼らから事実を知る前に、自分でも本当のことを知っておきたいのだそう。

「僕は彼女のことがホントに大好きなんです。付き合い始めたときは、彼女は実は別の男性と結婚していて……僕はそのときは知らなかったんですが。それで、彼女が離婚するときに、相手の男性への150万円の慰謝料は僕が払ったんです。24歳の僕には大金でしたが、彼女のことがどうしても好きで」

彼女は地方の県立大学を卒業後、上京。堅実な電機メーカーでエンジニアとして働いているとか。写真を見せていただくと、ぽっちゃり体型で地味めなファッションをしています。肌の質感がなめらかで美しく、優しい印象。

「その後彼女と一緒に過ごした10年間は、平穏な幸せに包まれていて、それがずっと続くと思っていたんです。僕は結婚をしたかったんですが、彼女に“私じゃ釣り合わないから”とずっと断られていたのです」

柊也さんが結婚の話をするたびに、「私では釣り合わない」の一点張り。2021年になって、強引にでも入籍したいと言ったら、柊也さんを避けるようになってしまったそう。

別の恋人がいるのではないか……という疑惑

柊也さんと彼女が住んでいるのは、東京と神奈川の県境にあるエリアの築20年以上の賃貸マンション。

「きちんと自活したい、と彼女が言ったので、僕は10年前に親が持っていたマンションを出たんです。コロナ禍になってからは、彼女と家で晩酌するのが楽しくて、ずっと一緒にいたかったのですが、彼女はなぜかちょいちょい外泊する。そのことに触れると、“しばらく距離を置こうか”と出て行ってしまう。これ以上詮索すると、同棲解消と言われそうで怖い……。結婚の話を改めてすると、いつものように“私では釣り合わないから”とその話を避けるんです」

結婚の話さえしなければ、関係は良好だった。

「でもこの前、親戚が僕の結婚に向かってアレコレ動いているという話をしたんです。僕としてはどうしても彼女と結婚したい。そのことを伝えると、“この10年間、柊也との将来は私には見えていなかった”と断言されてしまったんです。僕は絶望的な気持ちになり、つい“僕は君の元夫慰謝料150万円も払って、家も出て、何もかも君の言う通りにして、それでそのセリフはないだろう”とカッとして言ってしまったんです。すると彼女は“それって、柊也がやりたくてやったことでしょ?”っと鼻で笑ったのです」

すでに、柊也さんは涙を流しています。今までの話を聞く限り、彼女は何かを隠しています。

結婚の問題が切実になるまで、ホントに幸せだったんです。彼女が淹れるお茶のおいしさ、そばで寄り添ってくれる日々を思うと、こんな別れは辛くやりきれない。関係を修復できるならそうしたいんです」

そのためには、自分の目で現実と向き合わないと前に進めないそう。

「この10年間、気持ちは通い合っていたと思うんです。彼女はいろんな欲が強い人なので、たぶん浮気もしていたと思うけれど、それは遊びだと思ってみて見ぬふりをしていました。でも別れるとなると、大人としての筋を通してもらいたいんです」

調査はしますが、写真で見る限り、彼女のような女性は絶対にモテます。見た目が地味で肌と髪が美しく、ふっくら体形で色が白く、自立しています。そして自分の意見をハッキリ言う……真のモテキャラとも言えます。

「もう現実から逃げるのはやめます。彼女との結婚問題について、自分の手でけりをつけたい。どうぞよろしくお願いします」

彼女の浮気疑惑が浮かび上がるたびに、ひとりで泣いていたという。

※本連載はプライバシー保護のため、一部内容を変えています。

「釣り合わない」と言っていた彼女の真意は?……〜その2〜に続きます