半ニートから高額所得者まで、常識人から異世界に住む人々まで、幅広い層が飲みに来る下北沢を中心に「一人飲み歴10年以上」の、きたざわ御神酒(おみき)です。

皆さま、男性からDVを受けた事、または、友人女性からその手の告白を聞いたことはありますか?DV=ドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力)は、深刻な事件につながるケースもあれば、当事者同士の恋愛問題の範疇として内々に片づけられ、社会的に明らかにされないケースも多々あります。

今回は、筆者が飲み仲間の女性たちから聞いた、男性からのDV被害についてご紹介していきます。複数の女性からDVについて見聞きした結果、男性からのDV被害は「受けやすい女性のタイプ」や「誘発しやすいシチュエーション」というものが存在するようです。

「私は違う。今までそんな男性と付き合ったことはない」という方も、意外な男性が突然豹変、というケースもあったので、ぜひご一読ください。まさかのたった1回でも、暴力は大きな傷跡を残してしまうかもしれないのです。

DVが常習化してしまうカップルには、女性側にもある特徴がある

ニュースで見るような「事件化するDV」の場合、DVを行なう男性の特徴には、2つのラインがある気がします。

1:男性の社会的地位が高くなく、粗野な教育環境で育ったケース

2:社会的地位が高く、大変外面のいい男性が、家庭内だけで荒れているケース

どちらの場合も事件化するような重篤な状況では、暴力によって女性側がショックで思考停止、女性は精神的にも支配され、DV加害者男性に逆らえない状況であった……というパターン、有名になってしまうような事件の解説で、何度か見かけました。

しかし「事件化するほどではないけれど、DVを繰り返す男性」と付き合った女性達から、筆者がリアルに見聞きしたケースには、別の「ありがちなパターン」があります。

パターン1:男性の社会的な地位は、特別高くも低くもない。つまり、ごく普通のゾーン

パターン2:DV加害者男性と被害者女性の関係は、夫婦でなく恋人同士。同棲、もしくはどちらかの家によく宿泊するような親密度

パターン3:男性のDV行為が少なくとも3回以上は行なわれており、時には警察を呼ぶレベル

……ここまでのまとめを読んで、DVと無縁の生活をして来た方、また、DVを絶対に許せない事、と感じる方には「あら?」と疑問に感じるポイント、ありませんか?

そう、「警察を呼ぶレベルのDV」を行なった男性と被害者女性は、その状態でも交際を継続しているのです。

DVを絶対に許せない事、と感じる方=筆者にとっては、この手の当事者女性のお話、初めて聞いた時には「なんでそんな男と別れないの!?」と大変疑問でした。そして当事者にそのままその質問をぶつけました。

すると、この手の状況の当事者女性は、だいたい似たような回答をします。

それなりに苛烈なDV男を被害者女性が「ひとまず許す」カップルは、暴力を社会的に告発しないまま、関係が続いてしまう

彼女たちの言い分は……

「彼(DVカレシ)は、すごく不器用で、かわいそうなところがあって」

皆、こう言うのです。外から見てわからない程度の暴力ならまだしも(それでも許せませんが)、DVのせいで目の周りに青アザができ、眼帯をして仕事に行っていたアヤミちゃん(仮名:当時30代になりたて:ネイルサロン経営者)もこう言いました。

このタイプのカップルの「すごく不器用でかわいそう」なDV加害者は、仕事や人間関係などの社会生活でストレスを抱えている時、彼女とふとした口論になった際に暴力をふるうのです。そして、暴力をふるって鬱憤を発散すると我に返り、自分の愚行にシュンとなって女性に謝り倒し、「こんな自分を嫌わないでくれ」と泣いたり、女性のご機嫌をとるために家事をしたりプレゼントを買ったり……と、今度は極端なプラス行動で埋め合わせをしようとするのです。アヤミちゃんは「自分よりも収入の低いカレが、貯金をはたいてまで買ってくれた」というピアスに触れながら、眼帯に覆われていないほうの目を細めていました。

営業職でとてもいい成績を上げていたリナちゃん(仮名:当時20代後半)のケースもそうです。リナちゃんが顧客の方と会食して帰宅すると、同棲中のカレシ(20代後半:サービス業)が「どうしてこんなに遅いの?」とリナちゃんの行動に文句を言い、リナちゃんが言い返すと暴力をふるい、リナちゃんは取り急ぎ部屋を出て警察を呼びました。リナちゃんが警察官と共に部屋に戻ると、彼氏がその後も一人で暴れ続けたのでしょう、部屋の中は惨憺たるありさまになっていたそう。警察官から、彼を逮捕、または事情聴取で連行する事をすすめらたリナちゃんですが、目の前で泣きながら謝るカレがかわいそうになり、けっきょく警察への訴えを取り下げる形で対応してもらったそうです。

こうしたDVカレシたちは、一度暴れた後はしばらく反動でおとなしく……というより、それ以上に女性に尽くしご機嫌をとります。しかしそれも束の間、次の問題が起きた時にはまた、暴力のタガが外れるのです。

DV男を「許す」女性のカップルが別れる方法は、たった1つ?

こうしたカップルの場合、筆者の知る限り「もう、絶対やらないから俺を見放さないで!」と泣いてすがるカレシが暴力を振るわなくなったのでうまくいった……という例はありません。彼女のほうが「もう無理」と男性を見限らない限り、男性の甘えた暴力は、一定の間隔を経てだらだらと続きます。

アヤミちゃんは、飲んでいたバーに押しかけて来たカレシが彼女の髪を引っ張って椅子から引きずりおろし、そのまま地面に引きずって罵声を浴びせる……という行動をされた後、さすがに別れました。

しかしリナちゃんはなんと結局、DVカレシと結婚。結婚後は筆者は付き合いがありませんが、リナちゃんがまた暴力をふるわれた際に救おうと間に入った飲み仲間の男性に、最終的にはリナちゃん夫婦2人揃って「もう関わるな!」と絶縁状を叩きつけた、という話を聞きました。こうなるともう、暴力すら苛烈な夫婦そろってのプレイの一環なのではないか?という気がしてしまいます。

ちなみにアヤミちゃんは、筆者の知るDVカレシと別れた後、暴力をふるわないまっとうな男性と結婚して幸せになっていますが、実は過去に他の恋愛でもDVカレシとつきあっていたことがあったそう。

カレシのDVを見限って別れたのに、次のカレシがまたDV男だった!という話、実は意外とよく耳にします。そこだけ聞くと、すごく不運な女性、と気の毒に見えます。しかし、複数のそうした女性達の話を聞くと、別の視点でも考えずにおられなくなります。

後編では、このような「DV男を引き寄せやすい女性」の特徴、そして「それまでそんな男と付き合ったことがないのにDV被害に遭ってしまったしまった女性」のケースから、DVと無縁の女性も、事前に注意したい点を考察します。

怒りで無意識に手が出るなんて、感情がコントロールできていない証拠ですから〜!

〜その2〜に続きます。