富松うなぎ屋 黒田本店 / 「特上セイロむし」(3300円)。ふっくらとしたウナギがご飯の上だけでなく、中にも入っている。ご飯にもタレがしっかりと染み込み美味

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7月20日(金)は、土用丑の日。猛暑日が続き、スタミナをつけるためにも、「ウナギが食べたい!」という人も多いはず。今回は福岡のなかでも、柳川と並び、ウナギの名店が数多く集まる久留米から3店舗をピックアップ。ふっくらとしたセイロ蒸し、香ばしさ引き立つ蒲焼きはもちろん、よりリーズナブルな丼や創作メニューなど、巧みな“焼き”の技や、創業から旨味を重ねるタレに注目しながら、伝統の味に舌つづみを打とう。

【写真を見る】鰻料理 ふぢ井 / 2代目が考案し名物となった創作丼「鰻わさ丼」(キモ吸付き3000円)

■ 久留米“黒田のうなぎ”の代表格「富松うなぎ屋 黒田本店」

筑後川そばにある久留米市黒田地区は、川魚問屋が集まっていた歴史を背景に福岡屈指のウナギ処として知られている。その“黒田のうなぎ”のなかでも、特に人気を集める店が約80年の歴史を誇る「富松うなぎ屋 黒田本店」(久留米市大善寺町)だ。日本庭園も備えた格式ある建物に180の客席を備え、多い日は1日1500から2000匹を出している。

「特上セイロむし」(3300円)は、ふっくらとしたウナギがご飯の上だけでなく、中にも入っている。ご飯にもタレがしっかりと染み込み美味。

国内産を厳選するウナギは、背開きにして備長炭で焼き上げる。創業以来継ぎ足して使う旨味が凝縮されたタレに4、5回たっぷりと漬け、甘くて濃厚な味をしっかりと染み込ませる。熟練の職人がウナギそれぞれの特徴を見極め、焼き方、焼く時間、タレの染み込ませ方を調整。いいウナギほど脂がのっているので短時間で焼き上がるそう。

[富松うなぎ屋 黒田本店]福岡県久留米市大善寺町黒田83-6 / 0942-26-3608 / 10:00〜21:00(LO20:45) / 不定休

■ ふっくら感と香ばしさが絶妙!「鰻料理 ふぢ井」

40年以上の歴史をもち、現在、家族5人で暖簾を守る。「(中)せいろ蒸し(きも吸付き)」(3600円)は、一般的なウナギのセイロ蒸しと異なり、まずはタレを染み込ませたご飯だけを蒸すのが特徴。そのあと蒲焼きをのせ、双方を馴染ませるよう軽く蒸すため、ウナギの香ばしさが損なわれず、セイロ蒸しならではのふっくら感もしっかり出る。タレは地元産の再仕込み醤油を使う。

見事な照りのウナギはふっくら柔らかく、甘すぎないタレがしっかりと染みた米とのバランスも絶妙。個体で異なるウナギの肉質を見極め、焼き方や、タレの塗り方を変えている。

「鰻わさ丼」(キモ吸付き3000円)は、2代目が考案し名物となった創作丼。さっぱりとしたワサビダレが、香ばしい蒲焼きとマッチする。たっぷりかかる海苔、ネギがいいアクセントになっている。

[鰻料理 ふぢ井]福岡県久留米市原古賀町23-16 / 0942-38-9828 / 11:30〜14:00(LO)、17:00〜20:30(LO) / 木曜、第3水曜休み

■ 銘水で仕込んだ唯一無二の芳醇な味わい「酒蔵 うなぎ処 みずほ庵」

160年以上続く酒蔵の一部を改装した広い店内は、昔ながらの梁や柱が残り、趣のある雰囲気。ウナギは、酒の仕込み水としても使用する清水に1週間打たせて締め、臭みを徹底的に取り除く。備長炭で焼き上げ、酒の旨味も加わった秘伝ダレを使って調理。セイロ蒸しは、米粒の食感にまで配慮し、ふっくらと蒸し上げている。

「特上うなぎのせいろ蒸し」(3434円)は、やぐらを模したセイロはふたを開ける時の楽しみも格別。うなぎは二段重ねになっている。併設する酒蔵で造られた甘酒が付くサービスもうれしい。

[酒蔵 うなぎ処 みずほ庵]福岡県久留米市大善寺町藤吉940 / 0942-27-3055 / 11:00〜14:00(LO)、17:00〜20:00(LO)※夏場の夜は17:00〜20:30(LO) / 不定休(九州ウォーカー・九州ウォーカー編集部)